やっぱ熱でしょ
新潟空港の「まいまいテラス」というわけのわからないコーナーに行ってみた。
簡単にいうと、熱がない。
すべての商売は企画なのだが、企画しただけではまったく答えを得られない。
熱がないと。
加熱し、熱くしないと、人は「買おう」とは思わない。
そんな冷えひえの場所に冷凍の自販機があった。
ANA国際線エコノミークラスで提供されている機内食が買える
らしい。
ビーフシチュー&とろとろ玉子のオムライス
タンドリーチキン風サフランライス添え
ビーフハンバーグステーキ
パエリア
など全9種類
全部同じ価格で税込1100円。
自販機2×5=10個あるコマの一つ空いたところには「保冷バッグ・保冷剤300円」
この企画も「冷えてる」なあ。冷凍食品だけに(笑)
企画した人が誰なのかわからないけど(ANAの人なのか、外注先の代理店なのか)、企画段階で、熱をまったく感じられない。
これ、マーケティングに限らず、経営全般に通じる大切なことなので、ちょっと詳しく分析しますね。
熱を感じられない理由は;
エコノミークラス
で
誰が嬉しい?
お客さんサイドからすれば「受け取るベネフィット」が欲しい。
「エコノミークラス」はベネフィット(欲しい理由、買う理由)になるか?
やるなら
欲しいーーーーーーー!! と喉から手が出るくらいの姿、魅せたい。
エコノミークラスでそれくらいの価値が出せるのは、たとえばシンガポール航空やエミレーツ航空とかであれば「アリ」だ。
乗客に自分でスーツケース預け入れを(器械で)やらせるANAに、そこまでのブランド力は、残念ながら、ない。
ANAをアピールするのであれば、ANAのカウンター横に自販機置くほうがいい。
悪いけど、冷えひえのまいまいテラスの片隅に置いても、血流が生まれない。
やるのなら、ファーストクラスの機内食でしょう。
なぜファーストクラスの機内食を自販機で売るか。
販売個数を稼ぎたいから
ではなく(笑)
ちゃんとした理由があるのです。
実は;
機内では機材などさまざまな理由で提供できない「ワケアリ」のメニューがあります。
今回、自販機を使って特別にご用意いたしました。
月替りです。
価格も11000円、8800円、5500円、2200円・・・とカラフルにする。
エコノミークラスの1100円メニューも1個は混ぜていい。
そうすると、エコノミークラスのメニューも動き出す(売れ出す)はずだ。
いまのままではおそらく売上は損益分岐点を超えていないはず。
ネットの提灯記事では「飛ぶように売れる」と書いてあるがウソつけ。
買う理由が見当たらないのだから、売れるはずがない。
企画段階で「熱がない」、売る姿勢にも「熱がない」。
売れるはずがないのだ。
ANAには厳しい阪本でした(笑)
やっぱ熱でしょ。