ないからこそ、クリエイティブに。
中国の小さなスタートアップDeepSeekが巨人ゴリアテNvidiaをひっくり返した。
おかげでNvidiaは17%もの株安になりつられて他のテック企業株もAI半導体銘柄を中心にどかんと売られ、米NASDAQ総合、S&P総合にも影響が及んでパニックになってる。
日本では10時間に及ぶ記者会見がどーのこーのやってるがこういうとき怖いのは、オモテに出せない何かが水面下で蠢いているかもしれないからだ。なので衆議院サイトで今国会審議中の法案を調べたりしてる。
つい昨日『エコノミスト』誌で「中国AIはアメリカにキャッチアップしてる。理由は低コスト」という記事を読んだばかり。朝起きたらNvidia時価総額5890億ドル(91兆円)消えた。
主要株価指数におけるNvidiaのウェイトが大きいため、比例してNASDAQ100株価指数が3%、S&P500種株価指数が1.5%下落した。
DeepSeekがなぜ巨人たちをひっくり返せたのか。
ぼくたちフリーランスにも役立つと思うので、シェアしますね。
第一に、低コスト。
開発費用がわずか600万ドル(9億円)程度。
メタが最新のAI技術開発に費やした費用の10分の1。
「1億ドルや10億ドルを資金調達する」となると、よっこらしょ、どっこいしょ、となるが、600万ドルであれば、投資の世界なら近所のコンビニの買い物程度だ。
つまり、それだけ投資してくれる可能性が高まる。
第二に、開発に要するチップの数が8分の1。
オープンAIが2022年11月にChatGPTをリリースして以降、AIの訓練には「専用チップをどれだけたくさん用意できるか」という「数の多さ=投資金額の大きさ」がKFS(競争力の鍵)という投資界の「常識」が生まれた。多くの投資家や企業はその常識に沿って思考してきた。
世界の主要なAI企業は1万6,000個ものチップを搭載するスーパーコンピュータを使ってチャットボットを訓練している。当然、でっかい電力や水も必要だ。
ところがDeepSeekは2,000個。
もう一度。16,000 vs 2,000。 8分の1。
アメリカ政府の施策もあり、中国ではチップの入手に成約がある。
だからこそ、創意工夫が生まれたのだろう。
ないからだめ
ではなく
ないからこそ、クリエイティブに。
第三に、オープンソースによる開発
DeepSeekは最新のAIシステムをオープンソース化している。基盤となるコードを「外」の企業や研究者と共有している。
これはネットの世界では必然のあり方であり、企業や研究所の壁は限りなく薄く、消えてしまうのが自然なあり方なのだ。分厚く高い壁で仕切ろうとしても、どだい無理だし、それは進化を弱める。
以上が簡単な分析だけど
一番ぼくたちが学び、自分にも取り入れたい姿勢が
ないからこそ、クリエイティブに。
いやー。目が離せませんね。楽しい。