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海外に興味がある方にはレゴシリアスプレイは世界と深くつながるための最短の道であり、とてもオススメという話。

10月7日、8日とレゴシリアスプレイのグローバルミーティングが行われました。私が参加させてもらうのは今年で3回目。2022年、23年、24年と3回連続になります。

今年もヨーロッパを中心に、アジア、北米、南米から150人以上のファシリテーターが参加しておりました。

これを書いている10月13日はあの日から1週間程度というタイミングですが、今も興奮が残っております。

振り返ってみて思いますが、日本にいるごくごく普通の1人の教育に進む人間が、これだけの人たちと交流をさせてもらえるというのは、本当にありがたいことだなという気持ちです。

当日の様子、盛り上がりを実感する良い動画があったので貼っておきます。


今回は、当日の様子とともに、私が行って考えたことを共有したいと思います。



【どんなところで行われたの?】


開催場所は、今年もレゴ社の本社があるビルンという街でした。
過去2年はレゴハウスの中にあるセミナールームで行われましたが、今年に関しては、そこが改修工事中のため、すぐ近くのホテルで行われました。

レゴ社の本社にはめちゃくちゃ大きなミニフィグがあります。いや、これはもうミニフィグじゃないか。言うならばギガフィグとかそんな感じ?
こちらがレゴ社の本社の周りからみたところ。シリコンバレーにありそうな素敵な建物ですが、周辺が本当に静かで、私の大好きな場所です。
ガラスの囲まれていて、丸みがあって、とても素敵な建物。こんなところに毎日、通ってみたいものです。
すぐ近くには、レゴランドがあります。
レゴランドに併設されているホテル。子供が来たら大喜びでしょうが、高すぎて私には全く手が出ません笑
こちらが例年、グローバルミーティングを行なっているレゴハウス。天気が微妙なため、薄暗い印象になっていますが、晴れていると白と青のコントラストがめちゃ素敵です。
ちょうどハロウィーンの季節ということもあり、中はハロウィーン模様でした。
今年の会場はこんな感じ。世界中から150人以上のファシリテーターが集いました。室内は終始、とんでもない熱量でした。
こちら、今回の日本人チームの写真。この瞬間入れていないメンバーもいたのですが、私も入れて合計8名の参加者がやってきていました。


【当日はどんな発表が行われたの??】

当日の内容については、九州産業大学の聞間先生が詳しく、レポートにまとめてくれています。そちらをぜひ読んでみてもらえたらと思います。

私には、こんなに丁寧に書けないという素晴らしいレポート。参加していない方も、これを読むだけで、だいぶイメージが湧いてくるのではないかと思います。

聞間先生とは、毎回のグローバルミーティングやアジアミーティングも含めて、いつも一緒に学びを深めさせてもらっています。

同じセッションを受講した後で、それぞれさらに気になったことや、発見したことなどを共有し合えることで、より多面的にみられるようになり、本当にありがたい存在です。

また今回、同じプログラムを受講したにも関わらず、私とは全然違うnoteが仕上がってきて、そういったところからも自分の偏りや特徴を理解する良い機会をいただいているなと思います。

【私は、グローバルミーティングに何を求めてきているの?】

今回、このエントリーを書くにあたり、改めて言語化してみましたが、この8つが大きいなと思いました。

①いろいろな国のLSPの実践を知りたい。

初めて参加する前から、ずっとどんな国で、どんな形でLSPが使われているのかを知りたいなと思っていました。

私がトレーニングを受講したのが2013年。初めてグローバルミーティングに参加したのが2022年のため、10年程度の時間が過ぎてからの参加となります。

その間、ずっと参加できる機会を伺っていたということもあり、初めて参加できた時は、これがそれだったのか!という気持ちになりました。

LSPの場合、世界中で同じメソッドが様々な領域で活用されています。また、活用されるだけでなく、実践を共有する場が定期的に開催されています。

世の中にワークショップの手法は数ありますが、こういった手法はなかなか聞きません。

日本での実践も様々ですが、国を超えるとどんな活用の仕方があるのかにぜひ触れてみたいと思っていました。

これまでおそらく50近い発表を聞いているのではないかと想像しますが、どれもこれも自分のおこなってきた実践とは少しずつ、もしくは大きくずれているものばかりだなという印象です。こうやって違うものに触れていくことで、自分の性質を知る機会にもなり、それがとても良いなと思います。

②いろいろな国の文化を知る

私の場合、LSPそのものへの関心も強いのですが、それと同じか、下手したらそれ以上に興味があるのが他国の文化です。

これまでも海外の人の話に触れるたびに、日本の当たり前がなんら当たり前ではないということを思い知らされてきました。

世界中からファシリテーターが集まって話を聞くことができるグローバルミーティングは私にとっては宝箱?おもちゃ箱?のようなところがあります笑

特にグローバルミーティング・アジアミーティングの場合、発表もそうですが、休憩時間や朝、昼、夜と、いろいろなメンバーとテーブルを囲み、ディスカッションや情報交換をする時間が用意されています。

これが本当に良い機会で、食べ放題ならぬ、取材し放題みたいな、食事と情報のビュッフェスタイルといった形になります。

今回も、数十という国から参加者が集まってきていたので、数十カ国料理を一緒に味わえるイベントというイメージでしょうか。

私のような一部のオタクには、よだれが出て止まらないような空間ですね笑

③いろいろな国の課題を知る

日々、LSPを日本の組織の課題に用いている私としては、これが日本特有のものなのか、それとも国を超えてもどこでも生まれうるものなのか、それがとても気になっていました。

何事も客観的に見られるようになることで、より深く特性を理解することができるようになります。そこから初めて新たなる解決のヒントが得らることも少なくありません。

直接、実践を知りたいというのもありましたが、どんな課題があるのかを知りたいというのも強くありました。

これまで参加する中でも、例えば、インドの女性の機会の不足の問題や、タイの刑務所での教育の実態の問題など、ソーシャル的な発表も多く、先進国だけでなく、新興国の話も聞けるため、それもとてもありがたい機会です。

先日の東京でのミーティングでは、日本のファシリテーターから、校則の意味を見つめ直すという実践が共有されていました。

これは日本だけの問題ではないのだと思いますが、日本の学校には、特殊とも思える校則がいろいろとあるため、あの発表には、海外のファシリテーターも興味津々だったのを覚えています。


④いろいろな国にある文化の上での実践を知る

①と②と③の総合系がこちらになります。

他国が前提とする文化とその上で生まれる課題に対して、それぞれのファシリテーターがどのように解決に向けて取り組もうとしているのかを知ることは、通常の実践を知る以上に学べることが多いです。

これは日本人だけで見てもそうですが、1つの課題に対して、解決策は人それぞれです。

なるほど、そういったアプローチもありうるなと思うわけですが、国を超えて、それを共有し合えるというのはまた大きなヒントとなります。

その際、その国の文化的な特性は、無意識に収まりがちであり、あえてそこから発表をするケースはほとんどないなというのが体感です。なので、ディナーの時などに、個別に話を聞かせてもらいながら、理解を深めています。

先ほどあげた日本の校則をテーマにLSPを用いての実践や、インドの女性の教育の実践などは、まさに文化と大きく結びついているような話と言えるでしょう。

こちらはフィンランド人のファシリレーターから共有されたサスティナビリティとLSPでの実践の様子。サスティナビリティへの感度の高いフィンランドならではだなと感じました。

⑤いろいろな国のファシリテーターの人柄、あり方を知る

以前、長年一緒にいる友人と食事をしていた時に、「森本さんは、属人性にしか興味がないですよね」と言われたことがありました。

言われた時には、たしかにそうかも、、、と思ったことがあります。

LSPの場合も、国の文化の話も、属人性というと、正確には収まっていないようにも思えますが、LSPの手法にのみあるものや、その国のみにあるものがどういったものであり、どういってものでないのかを知りたいというのはかなり強くあるなと思いました。

そして、それと同じくらいに興味があるのは、私の目の前にいるこの人といいのは果たしてどういう人なのか?というものです。

グローバルミーティングに参加する場合、LSPファシリとしてのその人にも興味がわきますが、その人そのものにも興味があります。

たとえば、この写真でいえば、休憩時間は、その人の実践以外にも、その人のキャリア感や、ファシリテーションをする上でどんなことを大切にしているのかなどを聞かせてもらうわけですが、それがまたとっても面白いです。

先ほど、情報のビュッフェと表現しましたが、重ねていえば、人柄のビュッフェ状態とも言えるかなと思いました笑


⑥いろいろなファシリテーターが活用している技術を自分も活用する

⑥に関しては、実は、そこまでこの優先順位は高くないのですが、できれば他の国のファシリテーターが用いている実践やティップス、ワークなどを私も用いられたら良いなということを思っておりました。

今回、行ってみて、例えば、QRコードを読み込むことで、それぞれが作った作品を画像とともにアップし、みんなで眺めることができるというツールに触れることができたり。

みんなで作った作品に対して、リスクが書かれたカードを引きながら、そのリスクが出現したら、このチームでどのように対処したら良いかについて考えるというワークを紹介してもらいました。

週4日勤務になる代わりに、1日に10時間働くことになったらどうしますか?なんていう問いが問題として扱われるところがフィンランドは流石だなと思いました。シンガポールのファシリ仲間に聞いたら、「うちの国でも10時間勤務は当たり前だよ」と言っていました笑


この2つは、早速、私の現場でも用いられそうなので、使ってみたいと考えています。

⑦いろいろな国のファシリテーターとつながり、仲良くなる


いろいろと書いたものの、実はこれが一番強いのではないかと思う部分もなくはないのですが、いろいろな国に友達ができたら最高だなと思っています。

1日目のディナーの時の写真。私は、右の奥から2番目におります。


3日目のみんなでグローバルのオンラインコミュニティを盛り上げる方法について考えている時の私。私は、いろいろなファシリテーターのバックグラウンドを共有するセッションを開いてもらいたいとアイデアを出しました。


一度、SNSでのつながりが得られれば、一緒にいる時間を超えて、その人の日常や実践についての情報を得ることができるようにもなりますし。

仕事を超えて、単純に遊びに行ったり、来てもらったりということもできるかもしれません。

日本で生まれたというのは本当に運が良かったなと思いますが、誰にあっても、日本の◯◯が好き(ここにはラーメンだったり、ゲームだったり、アニメだったりが入ることが多いです)といってもらったり、以前行ったことがあるとか、今度行く予定があるとかといってもらえます。

ここまでいってもらえることは、もう少しマイナーな国だったらなかっただろうなと思います。まごうことなき、日本人のメリットですね。

これまで3年ほど、参加する中で、すでにリンクトインでは150人以上のファシリテーターとつながることができました。(欧州ではなのかわかりませんが、LSPファシリはリンクトインの使用率が抜群に高いです)

おそらくそのうちの157人の内訳としては、150人くらいがLSPでのネットワーク、140人くらいが海外のファシリテーターというイメージだと思います。

私のリンクトインがこんな感じ。普通の日本人でもLSPのファシリになると、こんなにたくさんの友人が作れます!

これも間違いなくグローバルミーティングに参加していなければ得られなかったコネクションなので、本当にありがたいなということを思います。

⑧いろいろな国のファシリテーターとつながり、情報交換をしたり、コラボをしたりする。

⑦の先にあるものがこちらになります。私の場合、なかなか既存の業務でコラボレーションを必要とする場面は多くないのですが、例えば今、企画している北欧社会の働き方ツアーの中で、フィンランド人のファシリテーターに協力してもらうなどのシーンが作れたらさらにサービスの価値が高まるなということを感じています。

また、私が作ったプログラムを海外のファシリテーターに共有することで、海外の課題解決につながっていくなんてことがあれば、こんなに幸せなことはありません。

まだ、ここの域にまでは至れていませんが、今後も数年、数十年とかけて国を跨いだ活動を増やしていけたらと考えています。




【今回参加しての特に印象的だった2つの話】

今回ももれなく、休憩時間やディナーの時などに、いろいろな国のファシリテーターに話を聞かせてもらいました。

その中で、特に印象に残っているのが以下の2つでした。
せっかくなので、簡単に共有してみたいと思います。

①インドのあるファシリテーターから教えてもらった話。

「日本だとLSPは、あまり人前で主観を話すのが得意ではない状態の人に、口を開かせ、意見を外に出すと言う意味でとても有用な手法だなと思うんだけど。
インドの人たちと一緒に話をしてきた印象だと、みんな自信を持って自分の考えを表現する人が多いなというもの。
きっと日本とは違うLSPの効能がありそうな気がしてるんだけど、インドでやるLSPってどんな風に機能してるとか、こんなところに気を配りながら進行してるっていうのはある?」

という私の質問に対する回答でした。

「インドの場合、やっぱり階層型の社会だから、階層を超えて意見を表現させるのはもうほぼ無理のようなところがある。ただ、LSPを使うとそこにブレイクスルーが起こせる。それがLSPの凄いところだと思う」

という言葉。

もちろん日本の組織にも階層はあって、それを飛び越えて話をするのは難しいからそれもよくわかるんですが。

想像するに、この現象は日本のとは相当違う要素を持ってるでしょうから、これは聞くまで、もしくは聞いてもまだなお、こうやって聞かないと知りようがなかった話だなということを思います。

②イタリアのあるファシリテーターから教えてもらった話。

もう1つが、イタリアの女性ファシリテーターから教えてもらった話です。

彼女は、コテコテのイタリア人という感じの人で、とにかく陽気で、声が大きく、人生を楽しみ尽くそうとしている雰囲気があります。
イタリアやイタリア人のことをたまに自虐的にいじることもあるのですが、その裏からは、どれだけそれを誇りに思っているかが垣間見えてきます。


一番、右手前で豪快に笑っているのが彼女。いつも、こんな感じで、私の中で、イタリア人のステレオタイプが強化されてしまい、良いのか悪いのかよくわかりません笑


そんな彼女にこんな話を聞いてみました。

あなたは、イタリアに限らず、ヨーロッパのいろいろな国でLSPを実施してきていると思うんだけれど、国ごとにこんな風な雰囲気になるなどの特徴を感じたりする??

と。そうすると、まず彼女はこんな風に質問をしてくれました。

それは普段の様子の話?それともワークショップの時の話?それともLSPのワークショップの時の話?

それに対して私はこんな風に答えました

一番知りたいのは、特にLSPの時の様子の話なんだけれど、それ以外との差分が感じられる時があるなら、それもぜひ聞いてみたい!

すると彼女はこんな風に答えてくれました。

まず、普段の国ごとの雰囲気は全然違うと思う。やっぱりイタリアにはイタリアの、ドイツにはドイツの、オランダにはオランダの、また私はヨーロッパ以外でも実施することがあるんだけれど、インドでも韓国でも、やっぱりその国の雰囲気というのは大きく違ってあると思う。
そして、LSP以外のワークショップを実施すると、やっぱりそこにその国の国民性や雰囲気は出てくると思う。
ただ、LSPをやった時は、それがだいぶ薄まる感じがする。どこの国で実施をしたとしても、みんなルールに沿って、一人一人が考えを披露し、それをみんなで同じくらいの時間、聞いていくことになる。そこがLSPのすごいところ!

なるほどなーと思いました。

たしかに、私も、過去、数百という現場で、いろいろな業界のいろいろな年齢のいろいろな専門性の方がいる現場で実施をしてきました。

会場に入った時や、話をしている内容については、その業界や、専門性、年齢による特徴は出て気はしますが、LSPを用いての対話となると、雰囲気こそ違うものの、ワークの中では極めてフラットに進んでいくのを思い出します。

たしかに、LSPは他の手法と比較して、それぞれの素材の臭み?を消して、旨みを引き出すようなところがあるなということを感じました。

この2つの話なんて、日本の中だけでどれだけたくさんファシリテーションをしても感じ得なかったことでしょうから、今回もやってきてほんとによかったなと思います。


ということで、LSPのグローバルミーティング、お金も時間も相当かかりますが、行くことで得られることもまたたくさんあり、本当に素晴らしい場だなということを思います。

そして、LSPに限らず、いろいろな国の方々との交流は、自分の見る世界にさまざまな彩りを与えてくれる素晴らしい体験だなと思います。

ファシリテーターとしてLSPをすでにやっている方はもちろん、まだLSPのファシリテーターにはなっていないけれど、いろいろな国のファシリテーターと交流をしたいという方は、ぜひ一度、参加を検討してみていただけると良いかと思います。

基本的に全て英語で進行していくため、ある程度、英語ができないと参加は厳しいかもしれませんが、たいした英語力があるわけではない私も「人柄」と、「興味があるんですという勢い」と「レゴで作った作品を土台にやりとりする」の3本柱でどうにかこうにかやっていけているなと思います。

もちろん、これを機に英語の勉強を始めるというのもとてもおすすめです。活用先が明確なのと、学んでおかないと当日困るのもとても良い学びのスパイスになりますよ。


個人的には、LSPのファシリテーターが増えるということは、それだけ日本の会議や研修の質が上がるということにつながりますし。

海外との接点を持つ日本人が増えるということは、それだけ日本の成熟の機会になると思っております。

これを読んで興味を持ってくれた方は、ぜひLSPのファシリになり、グローバルミーティングに参加してみていただけたらと思います。


ちなみに、来年2025年は、10月6日(月)、7日(火)の2日間とその前後で行われることになたとのことです。

参加できるように早めから日程の確保とチームメンバーへの調整の依頼をしていくことをお勧めいたします。

ということで、今年も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました!!


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