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フジテレビの会見から感じた3つのこと

先日、1月11日に「中居さんの炎上を解決する方法」というテーマで書きました。

その時は、ジャニーズ問題と同様、絶対これまでのメディアの不祥事と同じように、この問題は、検証されずに流されていくのではないかと思っておりました。日本のマスメディアに対して、完全に諦め、受け入れていた自分がおりました。

ただ、今日、(質の是非はさておき)会見があったのです。

それも、前回一度、行ったのでは不十分だということで、違った形で2回目があったのです。

まさかここまでちゃんと立ち止まり、検証・報道されることになるとは思いもしなかった私としては、こんな日が来たことに対する驚きと感動を噛み締めています。

もともとこの会見が設定されたのは、外資系の株主「ダルトンインベスツメンツ」からの圧だとのことです。「企業統治の深刻な欠陥」とし、どうやらこのままだと、慢性的な業績の低下につながるリスクがあることから、ちゃんと取り扱えということだそうです。

これについても、「結局、日本は外からの圧がない限り変われないのか」という意見も目にします。

それはそれでわからなくはないですが、仮にそうであったとしても、ここまで進んだことは素晴らしいことではないかなと、個人的にはそう思っています。

日頃、いきすぎた株主資本主義に対しては、懐疑的な目でいる自分ですが、今回においては、完全に、株主万歳!という気持ちになりました。

この株主万歳!が思ったことの1つ目です。

(もちろん、今回は、良い形で機能しましたが、時に悪い形で働くこともあるため、それについては注視していく必要があるのも間違いありません)


2つ目。今日の会見のあり方について。

相変わらず、質問の質はよくわからないものが多いですし、質問の形態をとった説教のようなものも目につきます。

今時、手を挙げて当てられた人が質問をする権利を獲得するという運用が良いのかは甚だ疑問に感じる部分は当然あります。

また、質問の質の問題とともに、批判しようとする魂胆の影響もあったのか、それとは全く関係のない問題なのか。解答する側の答えも、「これは答えになっているのか??」と思うものも少なくありませんでした。

個人的には、最初の10分もしないうちに「もう長い時間聴いているのがきついので、後で、まとめを読もう・・・」とギブアップ状態でした。

改善の方法はいくらでもあるように思います。

例えば、

・オンラインの質問ツールなどを使い、全員がそこに投稿する。
・出て来た質問に対して、投票をする。
・投票数の上位から順番に答えていく。

など、するだけでも全然体験の質は変わったように思います。

このように、私と同じように、日頃、イベントを仕切るような仕事をしている人からすると、いくらでも改善のポイントが浮かんでくるのではないでしょうか。

と、形式についても、これはこれで言いたいことは山ほどありますが、それでも何もしないまま時間が過ぎていくよりは遥かにマシだなと見るのが良いように思います。

この手の記者会見については、どこかで一度、やり方を見直していただきたいですし、どういう運用を取るのが良いのかというテーマでケーススタディを作り、みんなで話し合いたいというのが思ったことの2つ目です。


最後、3つ目が報道機関についての自浄機能の獲得の初まりへの期待です。

この流れを皮切りになのかTBSから生島ヒロシさんの降板の発表があったとのことです。


これを契機に、この後、どれくらいの不祥事が発覚していくのか、またこれからの一連の流れにより、どれくらい芸能界やマスメディアが浄化されていくのかについては、まだわからない部分ばかりでしょうが。

少なくとも、これまでよりは、だいぶマシになるのではないかと思います。

私と同じく、これまでのオールドメディアのあり方について疑問を感じている方はたくさんいるでしょうから、そういった人たちにとっては大きな希望のニュースとなっているのではないかと想像します。

「マスゴミ」という言葉が聞かれるように私に限らず、多くの人たちがマスコミに対して憤りを感じています。

個人的なマスメディア、特にテレビへの不満の中でも特に苛立ちが大きいのは、以下の3つでしょうか。

  • 被害者など、インタビューイーの心情に何の配慮もなく取材に行き、話を聞き出そうとするところ。もはや暴力と何ら変わらないような姿勢。

  • 自社都合で大きく印象を操作するような報道の仕方をすること。(グラフを作る際に、数字と面積の比率を勝手に捻じ曲げて報道するところ)

  • 社会からの関心が強い問題であっても、自社の都合で、報道しないことを決め、取り扱わないままスルーを決めるところ。

これらの3つだけでも、報道機関としての信頼性を失うには十分すぎるほどではないかと思います。

これらの3つが一刻も早く無くなっていくこと、そして、これに限らず、報道機関として自浄作用を持つ組織へと変わっていくことを期待しています。


最後にマスメディアへの期待

教育を通じて社会を少しでも良くしたいという想いで活動している自分からすると、数百万人、数千万人という単位で、情報を届けることが可能なマスメディアがどのような姿勢で、どのような報道をするかは、社会を運営する上で、とてつもなく大きな要素を持つ機能だなと思っておりました。

これだけ社会の変化が早く、激しくなっている以上、学校空間だけで学んだことで対応していくのは誰にとっても難しい時代です。

そんな時代に、私が、このnoteに書いたり、直接会う数人、数十人、数百人に伝えようとしたところで、生み出せる影響はたかが知れています。(もちろん、少なくても意味があると信じているからこそ、こういうところに書いているわけですが)

ただ、残念ながら、私が生まれ、物心がついて、マスメディアの報道を目にするようになってから今に至るまで、マスメディアのあり方は、社会を本当に良い方向に向けて進めているのかは疑わしいなと思っておりました。

そんな中でのこの会見です。今日だけを切り取ると、まだまだ信用するには十分ではないものの、前回の会見から比較すれば大きな変化であることは間違いありません。

私がマスメディアを信用しなくなってからもう何年が経ったのかよくわからないくらいですが、これまでで一番、変わるかもという期待を得ることができました。


前回のエントリーでは、コンストラクティブジャーナリズムを切り口に書いたように、私個人としては、これまでの問題はさておき、これから何ができるのかが何よりも大事ではないかと考えています。

私に限らず、多くの人にとって、今日という日が、これまでのマスメディアに対する不信を払拭する大きな一歩になったら良いなと願っています。

しばらくの間は混乱が続くでしょうが、きっとこの混乱は、日本がこれから良い良い方向に進んでいくための一時的なハレーションなのではないかと思います。

これを機に、いろいろなところで社会に変化への希望が感じられると良いなと思いました。

ということで、最後までお読みくださってどうもありがとうございました。

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きづきくみたてnote 森本康仁
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