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ガスが止まった夜、心に温かさを感じた話。

こんばんは。きぜつです。
夜は肌寒いくらいになってきましたね。

数日前の夜、ちょっとした事件がありました。
今回はそのときのできごとを綴ります。


22:00
いつものように職場から帰宅し、晩御飯に買った鍋をコンロで温めようとしたところ、あれれ、火が点かない。

数か月前にもあったっけ。けどその時は単なるコンロのスイッチの電池切れで、今は解消している。今度はお風呂も沸かせない。おかしいな、もしかして・・・

ガス自体が止まっている?

まずは異臭がしないか確認。大丈夫そうだ。
それから家の外のガスメーターを確認。
あ、「ガス止」って書いてある。
手順に沿ってメーターの復帰ボタンを押してみるが、、、復帰しない。まじか。

22:05
室内に戻り、支払状況を確認。流石に大丈夫。
郵便受けに通知が来ていないか確認。何も来ていない。

なんで止まっているんだろう・・・

22:10
ふと、階下の住人のガスメーターがどうなっているのか気になった。

注)我が家はメゾネットの賃貸で、2階を我々夫婦が借りており、1階には大家さんの知り合い(おじさん)が一人暮らししている。

見てみた結果、1階のメーターも「ガス止」の表示。これは何かの外的要因に違いない。
おじさんはいつも帰りが遅く、まだ家には人の気配がない。

ここで、メーターにある緊急連絡先に電話。
オペレーターに状況を説明すると、地域の担当から連絡するとのこと。
妻にもガスが止まった旨を一報入れとこう。

22:15
ガスの担当者から連絡があり、10分~15分で駆け付けられるとのこと。

22:20
外に人の気配。
ガスの人、早っ!と思ったらおじさんが帰宅。
実は、おじさんとは、入居時に菓子折りを持って行ったものの「いらないよそんなもの」と断られて以来ずっと、会釈する程度でほぼ喋ったことがない。

しかし、今日は勇気を出して喋ってみることにした。

私「こんばんは、あの…ガスが止まっているみたいです」
おじさん「え?なんで?」
私「わからないです…とりあえず確認をお願いします」

おじさん「止まってた。あ!」
私「?」
おじさん「裏のビルに足場が組まれている。このせいかもしれん」
私「確かに今朝はなかったかもですね」
おじさん「大家さんにも聞いてみる」
私「ありがとうございます。ちなみに、ガスの担当者には私から連絡しているので、もうすぐ来ると思います」
おじさん「おう」

私「(…おじさんと初めてこんなに喋った!)」

おじさんが早速大家さんに連絡し、情報を連携してくれた。大家さん曰く、ガスが止まるような要因はわからない、とのこと。

22:25
ガスの担当者が家まで駆け付け、すぐ点検してくれた。ガス漏れもなく、復旧作業を始められることに。

22:30
ガスの担当者曰く、裏のビルの足場組立工事の振動によって、地震などの発生時に自動でガスが停止する機能が働いたと思われるとのこと。
(おじさん、ビンゴです!) 

22:35
おじさんと私で、ビルの外壁は事前に連絡してほしいですよね、などと愚痴をこぼしているあいだに、ガスの停止解除が出来たようだ。
無事にコンロに火が点くこと、給湯ができることを確認。ほっとした。

やっとご飯が食べられます、と私。
どうぞご飯を温めて食べて、とおじさん。

おじさん、怖い人ではなかった。ほっとした。

22:40
ちょうど一件落着した後、妻が仕事から帰宅。
開口一番「ガス止まったんだよね?」
そういえば、バタバタしていて、ガスが止まったことしか伝えてなかった。ごめん。

22:45
妻に事の顛末を話すと「色々ありがとう、なんか嬉しそうだね」。

ご飯もお風呂も、事なきを得る。
止まって気づく、ライフラインへの感謝。
ここまで1時間足らずのできごと。


翌日
妻が、玄関に紙袋がかかっているのを見つけました。そこに入っていたのは、裏のビルのオーナーさんからのお詫びの菓子折りでした。

おじさんからの連絡を受けた大家さんが、裏のビルのオーナーさんに連絡し、翌日すぐにお詫びを入れてくださったんだと思います。

思い返せば、皆、対応がプロでした。
すぐに駆けつけ処置をしたガス担当者、大家さんに連携したおじさん、大家さんとビルのオーナーさんで行われたのであろうやりとり、オーナーさんの迅速な謝罪。

個人的には、おじさんに勇気を出して話しかけてよかったです。
ビルのオーナーさんから受け取った菓子折りを見ながら、ふと、おじさんが受け取らなかった我々からの菓子折りのことを思い出しました。

多分、あの時のおじさんはシャイなだけだったんだな。なんとなくそんな気がしました。
そう思うと、心に温かさを覚えたのでした。

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