FOMOを刺激しユーザー心理を突く戦略(前編)
こんにちは!前回の記事の若干続きでもあります!
↑前回の記事
古代ローマの英雄「ユリウス・カエサル」の言葉
から、私たちがビジネスやコンテンツをB2CでもB2Bでも提供していく上でのユーザーニーズについていろいろ書いてみました。
その中で FOMOの話を書いたんですが、
このFOMOをちょっと掘り下げてみましょう。
このFOMO.
つまり「見逃すことへの恐怖」は、今日のデジタル時代におけるユーザー心理の中心的な要素じゃないかと思っています。
あとで出てきますが、重要なポイントとしては、「希少性と緊急性の創出」ともいえます。
みなさんタイムセールって知っていますよね?期間限定セールでもいいです。個数限定でタイムセールなどもよくECサイトでやっていますよね。
コマースビジネスをやったことがない方と話すと、
という人がいます。
これは、まぁ初めて聞くと合理的に思えるかもしれませんが、ビジネス戦略としては、いくつかの大事な点を見落としているかもしれないんです。
もちろん課題としては、いくつかあって長期間にわたって割引価格で商品を提供し続けてしまうと、消費者が値下げ額を商品の「本来の価値」と認識してしまうとか、ずっと安く売るので利益率が下がるとか、商品やブランドのイメージにも悪影響を与えるなどありますが、
それ以外にもっと重要なことは希少性と緊急性がなくなるということだと思っています。
タイムセールの効果は、希少性(供給が限られていること)と緊急性(行動を起こすための限られた時間)が重要ですよね。
これらは、消費者に即時の行動を促すための強力な動機付けとなります。
一方、常時割引価格で提供すると、これらの原理が機能しなくなり、同じ緊急感を消費者に与えることができません。
前回と若干重複しますが、
私が携わってきた、テレビ、動画配信といった業界を例にすると、
かつてのテレビに対する(メディアの特性に限った意味での)ユーザーの不満について
番組の放送時間に見ないといけない
自宅に帰って見ないといけない
テレビデバイスで見なければならない
自分の自由な時間に見たい番組が放送されていない
といって話が語られていました。
つまりテレビに対する不満に対するユーザーニーズは
いつでも好きな時間に見たいユーザーニーズ
場所を選ばずどこでも見られるユーザーニーズ
好きなデバイスで自由に見られるユーザーニーズ
というところでした。
そんな中、2014年〜2015年ごろに
各局が地上波TV番組のインターネット経由での動画配信サービス、当時はいわゆる「見逃しサービス(VOD)」を実現させました。
テレビ業界以外の特にネット界隈から見たら「おせーよ」と思っているかもしれませんが、まぁ大変だったんですよ。
私たちは好きな時に好きなコンテンツを見ることができるようになりました。この自由度は、かつてないほどのコンテンツアクセスを実現しています。
しかしながら、この「いつでも」見られる環境は、特定のコンテンツを「今すぐ」見る必要性を薄れさせる可能性があります。
結果として、「後で見ればいい」と考えることが、見るべきコンテンツの消費を後回しにし、時には完全に忘れ去られることにつながることもあります。
つまり、ユーザーニーズに応えていくことによって、いわゆるFOMO(Fear Of Missing Out)、つまり「見逃すことへの恐怖」が無くなりつつあるようにも思えますし、特に顕著になっているように思えます。
これはデジタル時代におけるコンテンツ消費者心理に重要な要素でもあります。
例えば
いつでも好きな時間に見たいユーザーニーズ
場所を選ばずどこでも見られるユーザーニーズ
好きなデバイスで自由に見られるユーザーニーズ
これらニーズのうち、「いつでも好きな時間に見たいユーザーニーズ」に対して制限を与えてみるとします。
FOMOは「見逃すことへの恐怖」と言いましたが、この心理は主に「今しかない」機会に対して生じます。
つまり、特定のイベントやコンテンツが一時的であると認識することで、それを見逃した場合に得られない価値があると感じ、積極的に参加や視聴を促されるわけです。
一方で、「いつでも見られる」状況下では、この「今しかない」という緊急感が希薄になり、FOMOを感じる機会が減少します。
先延ばし心理の誘発
「いつでも見られる」環境は、ユーザーニーズに応え、ユーザーの選択の自由と柔軟性を提供する一方で、先延ばし心理、つまりプロクラスティネーションを促すことがあります。
プロクラスティネーションってご存知ですか?
次回はこの続きを今週中に書いてアップします!しばしお待ちを!
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