「ツッコミ」はクリエイティブだし役に立つ
最近めっきりテレビ見なくなりましたが、
笑いが、天才的な爆発力のあるボケから、秀才的でじわっとくるツッコミにシフトしている気がしています。
2019年のM-1グランプリ、
ミルクボーイがコーンフレークネタで優勝したのは記憶に新しいですね。
あれはツッコミ型の漫才だと僕は思います。
当時無名ながら、3位に躍進したぺこぱも、ツッコミ型。
2018年優勝の霜降り明星や、2016年優勝の銀シャリもツッコミ型かと思います。
逆にちょっと昔を見てみれば、勢いがあったころのフジテレビの象徴ともいえる、『めちゃイケ』と『はねトび』。
めちゃイケは、岡村/濱口/山本(やらかしたけど、昔は本当に面白かった...)、はねトびは、梶原/塚地/秋山などの"天才的なボケ"に支えられていた番組だと思います。
古くは(失礼)、明石家さんま、ビートたけし、志村けんも完全なボケ型。
また最近に話は戻りますが、ここ数年で、
フットボールアワーの後藤やオードリーの若林の評価が急上昇し、バラエティの司会もつとめ、芸人として一段登った感がありますよね。
また、ドキュメンタルではフジモンが重宝されている。
やっぱり今の笑いはツッコミを中心に回っている気がする。
右脳的なボケから、左脳的なツッコミへ。
なんででしょうか。
キーワードは『共感』と『発見』だと思います。
いいツッコミ、面白いツッコミって7割の共感と3割の発見がある。
逆にボケって共感性は低い。共感性が低く爆発的だからボケともいえる。
(漫才でもボケって素っ頓狂なこと言いますよね)
ツッコミは共感性が重要。
「ああ、確かに、自分がボケに対して感じていたことを言語化してくれた」
というように。
千原ジュニアさんがラジオで、「ツッコミとは笑いをフチ取りすることでより引き立たせること」と言っていたみたいです。
「視聴者がボケに対して感じていたことを言語化」≒「笑いのフチ取り」
というように、共感性が重要なわけです。
ただ、共感だけではそこまで笑いにならない。
別に普通の人でも思いつくことであれば、なんでもないですからね。
そこに発見があって、大きな笑いに繋がる。
「そのツッコミ、その言語化は自分には思いつかないし、上手いこと言うなあ」と。
ここで、自分が大好きな漫才ネタの1つを置いておきます。
岩尾「お前タバコやめろ、本気でタバコやめるなら俺醤油やめるわ」
後藤「お前マジか、お前この国で醤油止めるリスクえぐいぞ」
つかみのやりとりですが、後藤のツッコミが秀逸で。
醤油やめるのだいぶしんどいやろっていう共感を得つつ、
「この国で」っていうところが発見になっています。
まだまだ続くので、動画見て満足しちゃった人も読んでください笑
大喜利面白い芸人は面白い、真に面白い芸人は大喜利も面白い感はありますが、
大喜利もボケのように見えて、共感と発見のツッコミの競技だと僕は思います。
って、改めて考えるとツッコミの、『受け手の思うことを発見のある形でフチ取りする』ってめちゃくちゃクリエイティブ。
noteを書くことのような、コンテンツを産むこと、
広告会社のような、得意先に商品と生活者の新たな関係性を規定し提案する仕事には通ずることが多いと思います。
人に対して、ものを書く、何かを提案して、
「それいいね!それおもしろいね!」と思われるためには、
まさに7割の共感と3割の発見が重要。
まずは共感させて、食いつかせる。
「〇〇みたいなことよくいわれてますよね、でも△△な感じじゃないですか」
そして、受け手が知らないことを発見として提供する。
「~~の事象や事実から自分は◇◇と考えていて、☆☆なことを知ってほしいし、提案したい」と。
この型がまさに価値となるではないでしょうか。
共感が薄い独りよがりなものはなかなか「それいいね!それおもしろいね!」とはならない、受け手が何を考えていて、自分の話を聞いてどう捉えるかを想像することが必要なのだと、僕は思います。
別にツッコミ力(りょく)は、
そういうコンテンツを産む行動だけではなく、
普段のコミュニケーションでも重要だと思います。
なんかよく大人数でいるときに話題が集まる人って、やっぱりツッコミ力があって。
漫才のようにツッコむ訳ではないですが、相手の話をフチ取りするのがうまい人。
基本的にコミュニケーションがいかに弾むかは受け手のスキルによると思っています。
受け手がツッコミ力がある人ならば、多少雑な話題の振り方や、難しい抽象的な話題も拾ってフチ取ってくれる。
その人の返しには共感性がありつつ、発見もあるので、話題のベクトルが少しズレて次の話題に繋がる。みたいに。
受け手が教養がなくツッコミ力がないと、「この話して理解されるなあ」「この話して弾むかなあ」と話し手として不安になりますよね?(自分だけ?)
だから、ツッコミ力のある人には話題が集まりやすい。
このTwitterやYoutubeのコメント欄がにぎわうのを見ればわかるように、共感性の時代において「ツッコミ」はクリエイティブだし役に立つという話でした。
おあとがよろしいようで。
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