【読書感想文】雨の日の心理学
子どもたちに贈る感想文
東畑さんの「雨の日の心理学」を読んで、これはぜひうちの子どもたちに読んで欲しい、と感じました。
絵本のように読み聞かせをするような本ではない(してもいいのだろうだけど、もう上の子は高学年になって読み聞かせなんて久しくしてない)ので、本棚にそっと置いておいて、いつか読んでくれるのを待っています。
ちょっとでも、子どもたちがこの本に興味を持つきっかけになるといいな、と思って、「なぜ父ちゃんが君たちにこの本を薦めるのか」という観点で、読書文を書いてみようと思います。
子どもたちにこの本を読んでほしいと思ったわけ
理由は3つあります。
その①
「雨の日」という表現の優しさを感じてほしいから
その②
心に雨が降ったときに、周りの人(あなたたちにとっては、父ちゃんや母ちゃん)は、「ケア」をしたいと思っている、ということを知ってほしいから
その③
心に雨が降った時は、ケアをする方も、される方も、すごく難しいことに取り組むことになる、ということを、共有したいから
それぞれ、詳しく説明します。
その①
「雨の日」という表現の優しさを感じてほしいか
東畑さんは、こころの状態には、晴れの日と雨の日がある、と説明します。
たとえば、「頑張ったね」と声をかけられたときに、こころの状態が晴れの日であれば、「がんばったと言われてうれしい。次もがんばろう」という気持ちになれる。一方、雨の日の状態だと「けっ、なんだよ、僕の気持ちもしらないくせに」と、素直に受け止めることができなくなってしまう。そんなこころの状態です。
ここで大事なことは、「晴れ」「雨」という、天気を表す単語が使われていることです。
つまり、天気のように、「雨はある日突然降り始める」ということと、「自分にはどうしようもないこともある」ということを、「雨の日」という言葉から、そっと教えてくれているのです。
たとえば、朝起きた時、急に学校に行きたくない気持ちになったとする。この本を通じて「そういうことって、あるんだよ。大丈夫。」と伝えてくれているのです。
この優しさを、まず、君たちに知ってもらいたいです。
その②
心に雨が降ったときに、周りの人(あなたたちにとっては、父ちゃんや母ちゃん)は、「ケア」をしたいと思っている、ということを知ってほしいから
東畑さんは、ケアとセラピーは違うもの、として整理しています。
たとえば、君たちが学校に行きたくないという話をしてくれたとき、学校をお休みしようか、というのはケア。どうした?どうやったら学校行けそう?と聞くのはセラピーと呼ぶそうです。
そして、雨の日には、まずケアが必要。ケアから始める必要性を周りの大人はわかっているよ、と伝えたいです。
雨が降らないように気をつけような、ではなくて、雨が降っても、大人はケアから始めてくれる、から雨が降ることを受け入れよう、と思ってもらえるといいな。
その③
心に雨が降った時は、ケアをする方も、される方も、すごく難しいことに取り組むことになる、ということを、共有したいから
これは、もしかしたら言い訳に聞こてしまうだろうけど、雨の日のケアはとても難しい、ということもこの本には書かれています。ケアする人のケアも大事、ということも書かれているくらい。
君たちの心に雨が降ったとき、もしくは曇り空になったときの父ちゃんの言葉や行動は、必ずしも100点満点、というわけではないかもしれない。しかし、それには理由があって、雨の日に必要とされるケアは、とても難しいものだからです。
難しいことに取り組むんだ、ということは、お互いの認識として共有しておきたいな、と思いました。
けれど、難しいからと言って諦めているわけではありません。具体的な方法論についてもいっぱい書いてある本なので、それらを読みながら、少しでも、いいケアをできるようになりたい、と考えています。
この感想を読んで、この本に興味がでてきたら、お家の本棚をみてみてください。