世の中の耐震解析と耐震対策を知らない素人は、東海第二原発の基準地震動が、1009 gal.だから、原子炉建屋内の機器・配管類が、すべて、1009 gal.で設計されていると信じ込んでいるのであり、実際は、それほど単純なことではなく、具体的に記せば、・・・

世の中の耐震解析と耐震対策を知らない素人は、東海第二原発の基準地震動が、1009 gal.だから、原子炉建屋内の機器・配管類が、すべて、1009 gal.で設計されていると信じ込んでいるのであり、実際は、それほど単純なことではなく、基準地震動と言うのは、地下の解放基盤面での地震動のことであり、原発ごとに定義の深さが異なり、東海第二原発の場合、
・解放基盤面は、日本の原発の中では、最も深い地下370 m、
・解放基盤面の上の地層を取り払った状態で、解放基盤面上の地震動が、基準地震動、
・基準地震動1009 gal.の意味は、暗黙の定義により、振動周期0.02秒の値、
・振動周期は、0.01-10秒まで示されており、0.1-0.5秒の振動周期の地震動は、0.02秒の約二倍(2018 gal.)、
・解放基盤面の基準地震動は、地層で減衰し、原子炉建屋地下二階の床面の設計用基準地震動は、半分以下の468 gal.、
・原子炉建屋内の設計基準地震動は、各階各領域の三次元的分布をしており、一階上がると二割増、よって、四階床面で二倍(972 gal.、振動周期0.1-0.5秒ならば約2000 gal.)、屋上で四倍(約4000 gal.、振動周期0.1-0.5秒ならば約8000 gal.)、
・各階各領域に設置されている機器・配管の耐震対策は、各階各領域の設計基準地震動を基に、変位や応力やひずみの値を計算し、最少影響に留められるような耐震補強を実施、
・耐震補強条件に安全係数をかけ,、耐震構造材・器具(鋼材、油圧シリンダー、メカニカルスナバー、アンチロックなど)をそろえ、耐震対策工事の実施、
となります。
浜岡原発の場合、耐震対策の計算と器材と工事費込みで、原発一基当たり推定約500億円。

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