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調和した音楽を紡ぎだすことこそが人類の叡智である、と思ったこと。

ここまで30年近くクラシック音楽を聴き続けてきて、もう新たに感動する曲と出会うことはないだろうと思っていましたが、図らずも出会うことができました。

エルガー ニムロッド(エニグマ変奏曲より)

(参考までに、バレンボイム、シカゴ管弦楽団の演奏を貼り付けておきます。)

どこで出会ったかというと、映画『のだめカンタービレ最終楽章前編』です。今youtubeに上がっています。いずれ削除されると思うので、今のうちに検索して見てみてください。1時間20分のあたりで出てきます。

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そこで、千秋がのだめと語り合うシーンがあります。TVドラマ+欧州編ドラマ+最終楽章前編・後編という大長編の『のだめカンタービレ』の中で、一番好きなシーンです。

思わず、何度も繰り返して見返してその時の千秋のセリフをメモってしまいました。備忘のためにここに残しておきます。

(コンマスの言葉)

アンサンブルの神髄はハーモニーだ。要するに調和だ。音楽の本質は調和にあり。それを表現するのが真の音楽家というものだ。

(コンマスの言葉をのだめから聞いた千秋の言葉)

中世では、神の作った世界の調和を知るための学問が、天文学・幾何学・数論・音楽だったんだ。
音楽理論を熟知して、理性の力によって作品全体に対し入念に音楽の判断ができる人のことをムジクスといって、ただ音を歌ったり演奏したりする人のことをカントレと言った。カンタービレの語源。
森羅万象、宇宙の魂。気が遠くなっていく。
俺なんかまだまだ小さいことくらいわかっている。でも、だからこそ、一つ一つ今のこのオケの調和を探している。

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ここ数日、この千秋のセリフを使って、音楽の本質についてエッセイを書こうと思い、何度も何度もこのセリフを見直しました。

特に、千秋が「森羅万象、宇宙の魂」について言及するところをどう理解して説明するか、頭を悩ましました。おそらくここは音楽の本質を表していると感じます。

音楽理論を熟知して、理性の力でもって、調和した音楽を紡ぎだすこと。それによって、神の作った世界の真理に近づくこと。それこそが人類の叡智であること。

そんなことを言いたいのではないでしょうか。

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千秋が「森羅万象、宇宙の魂」について言及するところ、文面だけを見ると、やや飛躍を感じました。しかし、この曲をバックにして、千秋の声・トーン・間で見ると、自然に森羅万象にまで頭がつながりました。同時に、強く感動を覚えました。

この千秋のセリフは、5分ほどの曲の最終場面で出てきます。ここに至るまでのストーリーの展開・見せ方は絶妙です。映画監督としても会心の出来だったでしょう。

改めてこの映画を見直して、この映画で使われている曲を検索し、この曲名を知りました。ほんの5分ほど、BGMで使われているだけなので、なかなか検索しても出てきませんでした。英国では、戦没者追悼式で毎年演奏される有名曲らしいです。

今回、手間を惜しまず検索をしたことで、新たな曲と出会うことができました。これだからクラシック音楽ファンはやめられまへん。

『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。