大野潔

経営コンサルタント。 ●経歴 1998年 日本興業銀行入行 2005年 リクルート入社 2015年 大野経営コンサルティング設立 ●資格・役職 中小企業診断士、証券アナリスト、MBA講師

大野潔

経営コンサルタント。 ●経歴 1998年 日本興業銀行入行 2005年 リクルート入社 2015年 大野経営コンサルティング設立 ●資格・役職 中小企業診断士、証券アナリスト、MBA講師

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最近の記事

歌舞伎町での大どんでん返し

東京に来たばかりのころ、悪友X氏と歌舞伎町で飲んだ。 歌舞伎町で飲んだ理由は、そのあと、お姉さん系のお店に行きたかったからだ。2000年代初頭から始まった歌舞伎町浄化作戦のお陰で、すっかりそういうお店は減ったが、当時はそういうお店がたくさんあったのだ。 X氏も私同様、地方出身者であり、「歌舞伎町でお姉さん系のお店に行く」ことに強い憧れを持っていたのだ。 (大事な注:お姉さんが隣についてくれるだけで、それ以上のサービスがあるお店に行こうとしていた訳ではない。いったい何に憧れてい

    • 漫才コンビのトーク番組

      近時、よく芸人のトーク番組をよく見る。 過日、某漫才コンビ2組のトーク番組を見た。漫才コンビは、漫才ネタを作る人と、作らない人がいる。片方が100%作って、もう片方は演ずるだけ、というパターンもあれば、片方がたたき台だけ作って、あとは二人で相談して作り上げると言うやり方もある。しかし、報酬は、作る側もそうでない方も同額、折半のようである。 ネタ作成者が、心血を注いでネタを作っている間に、片方はお酒を飲んだり先輩と遊んだりしている。場合によっては、そうやって業界人とつるんでいる

      • 1990年のヤンキー中学

        私はしばしば自分の母校の中学校のことを「ヤンキー中学」と評していますが、具体的にどういう状態だったのか、記憶をたどって記しておきたいと思います。 ●話題 基本的に、話題は「週刊少年ジャンプ」「ドラゴンクエスト」「トレンディドラマ」でした。 これらにまったく興味のなかった私は大変苦痛でした。 ●服装 「変形」。男子の話題の多くが、これについてでした。 標準の制服がかっこ悪いらしく、こぞって変形ズボンを履いていました。ボンタンとか短ランなどです。 上着の裏地はド派手で、真っ赤

        • 経済学 書籍集2

          ●アセモグル『自由の命運』 アセモグルは、前著の『国家はなぜ衰退するのか』を読んで好きになった。『自由の命運』はその続編と言える書籍。 私のクライアントもこの衰退本と命運本の両方を読んでおり、お勧めしてくれた。クライアントの知的水準が分かる。 ●アセモグル『技術革新と不平等の1000年史』 アセモグル本のさらに続編。基調は同じなので面白いのだが、本書は読むことに苦痛を感じ、いったん辞めてから再度読み直し、読了した。 タイトル通り、テクノロジーについて多く言及されており、そこ

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        • 経営学
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        • 歴史
          17本

        記事

          I left my HEART in Kyoto

          私は大学時代を京都で過ごした。 基本的には体育会・硬派という名のモテない君だったのだが、こんな私にもささやかなロマンスはあった。 そこそこ長くお付き合いしたのだが、地方出身者によくある、就職による必然的な別離のときが訪れた。 新幹線のホームまで見送りに来てくれた彼女は、新幹線に乗るまさに直前に、「私、子供が出来たみたいなの」と言った。 マジかよ。新幹線の中で、顔は真っ青になった。 しかし、翌日から新人研修が始まり、90年代後半の多事多端な金融業界の日々が始まった私は、地元に

          I left my HEART in Kyoto

          「やり残したことがある」度合いが人生の価値を決める

          司馬遼太郎『街道をゆく』を全巻(43冊)大人買いをした。 数冊はもともと持っていたので、それを除いて全巻買った。2万円台後半である。 こんなのが家にドカンと届けば揉め事になるのは必定なので、無論キンドルである。かなり長期間に渡り楽しめそうである。 ーーーーーーーーーーーーー 『街道をゆく』は司馬氏が旅行をして、その地の歴史・地理・人物について語っている紀行文集である。 氏が小説の舞台にする戦国・幕末あたりのことを中心に書いていると思いきや、そうではない。氏が書かない時代や地

          「やり残したことがある」度合いが人生の価値を決める

          藤井聡太のようなバケモノ的存在と同時代にいることを、どう考えるか

          藤井聡太のようなバケモノ的存在と同時代にいることを、どう考えるか。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 将棋の世界では、一時代を制覇する存在が、定期的に現れる。まるで、パックスブリタニカからパックスアメリカーナに移行する世界史を見ているようである。 将棋界は、大山→中原→谷川→羽生→藤井と、棋界を制した王者が連綿と存在していた。これらの王者が現れる前には、当然群雄割拠の時代があり、王者が覇権を取るプロセスの中では、負け続けたプレイヤーがいた。 藤井に関していうと、負け続けた代

          藤井聡太のようなバケモノ的存在と同時代にいることを、どう考えるか

          米長哲学について

          将棋棋士は一年を掛けてリーグ戦を戦います。 3月の最終戦は、勝ったら昇格・負ければ降格という勝負が行われます。その日は「将棋界の一番長い日」といわれます。 中には、勝ったら昇格・負ければ降格という棋士と、勝っても負けても影響のない棋士との対局もありえます。 昇格すると、段位が上がり、それに伴って一局当たりの報酬も上がります。つまり昇格による将来の便益は相当に大きいと言えます。 棋士は、毎年4人しかプロになりません。プロになるための奨励会という棋士予備軍の競争は、激烈なことで

          米長哲学について

          コンサルとして成功するには

          真田昌幸。 有名な真田幸村の父親である。後世の我々にとっては真田幸村のほうが有名であるが、昌幸在世時は父のほうが勇名を馳せていた。 というのも、彼は武田信玄の部下として、川中島・三方ヶ原・長篠などの戦史に残る戦いに従軍した歴戦の武将であることに加え、二度にわたり徳川軍を撃退した(第一次、第二次上田合戦)という履歴があるからである。 関ケ原で西軍に属した彼は、紀州九度山に流された。そこで老いを迎え、大阪の陣の数年前に死んだ。 死ぬ直前、すでに東西手切れを見込んでいた彼は、息子の

          コンサルとして成功するには

          三浦哲郎著『忍ぶ川』

          明けましておめでとうございます。 今年は大阪の実家で新年を迎えました。新年早々に複数の事件が起きて痛ましい限りでした。大阪も結構揺れました。 今年はとちくるって大学院に進学します。今後2年間はしっかり勉強したいと思います。 近時、「大野さんのpostをよく見てるよ!」と言われることが複数回ありました。どうやら隠れファンがいてくれるようです。ありがたいことです。これからも頑張って文章を紡いでいきます。 いったい何のために、相応の時間をかけて、一円も儲からないpostをするのか

          三浦哲郎著『忍ぶ川』

          すべらない話 傑作選

          実は私は『すべらない話』のマニアである。 気に入った曲を何度も聞くように、気に入ったすべらない話も何度も聞く。オチが分かっているのに聞く。それが快いからだ。 芸人の話術をこういう形で世に出そうとしたこの番組は、たとえ主催者である松本氏のスキャンダルがどういう結末を迎えようとも、輝きを失わない。 なお、youtubeのリンクは貼らない。youtubeで以下のキーワードを入れていただければヒットするはずである。 ●木村祐一 「車屋のキクチ」 最初に思い浮かぶのがやはりこれ。笑い

          すべらない話 傑作選

          ビールが美味い

          ビールは美味い。何がどう美味しいのか、分析してみた。 ここまで行くと、「美味い」というより、「偉い」といっても良いくらいである。 なお、私は数年前に断酒したたため、いまは酒席では最初から最後までノンアルビールであることを付言しておく。 ・いつでも美味い 季節感に関係なく美味い。 保存方法を問わないのだと思う。とにかく冷蔵庫に冷やしておけばOKなんだろう。 ・どこでも美味い 北海道から沖縄まで、どこで飲んでも美味い(海外はリサーチ不足なため不明)。 高級店でもセンベロでも同

          ビールが美味い

          経済学 書籍集

          ●マンキュー 入門経済学 某大学院の講義のテキストとして採用されていたため購読。経済学部の一年生が読むレベルであるため、非常にわかりやすい。ミクロとマクロを抜粋して、一冊にした本。 翻訳であるにもかかわらず、日本語が非常に読みやすい。これは海外の書籍を読むときに重要な要素。 「一般人はAのように考えるかもしれないが、経済学の知見を身に着けた人はBと考える」という論点を多く出してくる。目ウロコである。 ●マンキュー マクロ経済学入門編 これも大学院で採用されていたため購読。

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          諦めている人を減らす

          ●ナイツの漫才 塙「漫才は野球に例えられる。ボケはピッチャー、ツッコミはキャッチャー。あなたがどんなボールでも捕ってくれるから、僕は思い切ったボケができる。あなたは、漫才界の八重樫です!」 土屋「そういってくれるのはありがたいけど、なぜ八重樫?」 塙「キャッチャーでメガネかけているから、八重樫かなと」 土屋「その条件なら、古田にして」 塙「古田ほどではないな」 ナイツの名作漫才『野球寿限無』の一節です。延々18分もの長い漫才ですが、ぜひ最後までお聞きください。 伏線回収の何

          諦めている人を減らす

          『将棋ウオーズ』

          「何か一つ、人生でうまく行かないことをやったほうが良いっすよ」と言われたことがあり、将棋を始めました。アプリ『将棋ウオーズ』を始めて、無料の一日3試合だけやり続けて、2級になりました。 ちなみにネットで調べると、2級は最多層らしく、偏差値で言えば50程度とのこと。人様に言えないくらいの恥ずかしいレベルですが、思い切って公開しました。 今日も、絶好の勝ち試合を、最後の最後に間違って落としてしまい、レベルは全く違いますが前回の王座戦の永瀬前王座の気持ちを味わいました。 将棋は

          『将棋ウオーズ』

          普段は注目されることの少ないチェロ

          クラシック音楽ファンにとって非常に印象的なシーンが、村上春樹『ノルウェイの森』にあります。 主人公が直子と玲子さんとピクニックに行って、三人でブラームスのピアノ協奏曲第2番のレコードを聴きます。これを聴いた玲子さんは、「バックハウスとベーム」とつぶやきます。 クラシック音楽ファンでないとわけがわからないセリフです。これは、バックハウスがピアニスト、カールベームが指揮者、オーケストラがウィーンフィルという1960年代の名演奏のことを指します。 この第三楽章冒頭のチェロの独

          普段は注目されることの少ないチェロ