ショートストーリーの挿絵について
ちょっと夏の終わりを思い出してみませんか。
今回は夏に公開した挿絵についての話です。
絵の全景はこちら。
こちらは何かと交流させていただいているみけにゃんさんからのご依頼で描きました。もとのストーリーをお読みいただくとこの後の記事がよりお楽しみいただけます↓
(物語に絵が挿しこまれておる……!そりゃそうか!挿絵だもの!)
1.ご依頼について
元々ご本人が140字小説として投稿していたものをセルフリメイクし、バージョンアップした原稿でのご依頼です。
どのくらいバージョンアップしてるかはみけにゃんさんの後記をご覧ください。
当初は「記事から絵(皆様の記事からイメージした絵を描く企画)のような感じの挿絵で」とご依頼を頂いてたのですが、わたしにとって「記事から絵」と「挿絵」は用途が違うため、改めてご依頼の目的を確認させていただきました。違いはこんな感じ。
ご説明させて頂いた上で「挿絵」に決定。
ちゃんと確認できてよかったです。
2.制作について
最初に頂いた原稿からいろいろお伺いし、初版~改訂版まで全て時系列に並べてメモ帳にコピペ&印刷して読み比べ、読んでいて設定や関係を深く理解したいところはご本人に質問したり、プロットの送付をお願いしたりしました。わたしの根ほり葉ほりに根気よく付き合ってくださってほんとにありがとうございました…。
挿入箇所はラストと決まっていたので、文とカメラワークを揃えられるように決定。
いざ描くとなると、物語の視点は結構気になります。誰が持ってるカメラ(視点、目線)で何が映ってるのかとかです。挿絵でご要望されたアングルと文のアングルがどうしても整合できかねたので、そのあたりもしっかりご相談させていただき第三者視点の文と絵になりました。
と仰ってるのはこの辺りの話です。
自分で自分のことを振り返り、結構嫌なやつだな、何様だよと思う程度に話したり訊いたりしています。ほんっっと根気よく応対していただいてすごいなと思いました。わたしは人に恵まれている…!
3.絵について
さて、絵についておはなしをします。
ストーリーはシンプルでとても爽やかでやさしくて可愛らしいです。
その空気がみけにゃんさんの選択する題材の良さだと思っているので、それは損なわないようにしました。
光景イメージがご本人の中で固まっているのであまり凝ったアイデアやネタは入れていません。挿絵の役割として話から浮かんだものをそのまま起こした感じです。
鉛筆で線画と明暗を描き起こして取りこんで、淡めにデジタル彩色しています。一応厚塗り風も作りましたが情緒に欠ける・世界観に合わない…と思い誰にも見せないままボツに。いい練習になりました。
女の子たちの周りには小さな花火を咲かせました。
物語のラストで花火・夏祭りのワードが出ていること、「話に花が咲く」の慣用句、これまでとは違う新しい夏休み、少し踏み込んだ新しい関係へのどきどき感を掛けています。
人物・背景とは別の紙に鉛筆で描いてデジタル取込み、合成。
道端で素朴な高校生たちがたわいもない話で盛り上がってると、箸が落ちても笑う年頃なんだなあと思ってなんだか微笑ましくなる時ってありませんか?みけにゃんさんもこの物語を思いついたときはそのように感じていたでしょうし、そういう「若い可愛らしさ」を総合させてポップな色のちいさな花火で表しています。
いま、これを書いているのが10月半ばで、秋晴れの匂いがします。
ぜひ物語を読んでいただいて、過ぎし夏への郷愁と可愛らしさを感じてもらえたら嬉しいです。
お読みくださった皆様、
ご依頼いただいたみけにゃんさん、
ありがとうございました!
4.物語と関わること
暫くnote街から離れていた期間を終えての気づきですが、このご依頼を受け、改めて「物語と関わること」に難しさも含めて面白さを実感しました。
ここで言う物語は、フィクションは勿論のこと、現実に生きる誰かのエピソードやワンシーンなど綴られるおはなしです。今後の制作や展覧会でも、物語あるいは物語性が関わっていくと思います。
物語の世界に入り想像し描くこと、作者が語るエピソード、鍵を探ること。それで誰かの心が元気になったり、自分の書いた世界はこれだ!と喜んでもらえたらものすごく嬉しいです。こういうお仕事たくさんしたいです。
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