見出し画像

『サンタクロース』について

こちらは絵についてお話ししています。
今回は、『サンタクロース』です。


紙に鉛筆、部分にデジタル淡彩

描くきっかけは、2021年クリスマスに「絵から小説テロ」を突発的に企画したためです。水面下で声をかけて実行しました。
①制作時間ない②クリスマスらしいものという2つの条件のもとで作っており、時間ない→鉛筆確定、クリスマス→サンタさん、となんとも安直な発想です。

サンタクロースと決めた後に、絶対にやらないと決めていたのが以下。

赤と白と緑にしない
ほっほう!と笑わせない
陽気にしない
シャンシャンの音させない

一般的に、サンタクロースってどこ行っても陽気な扱いじゃないですか。
あわてんぼうだったり、トナカイにツッコミ入れられたり、煙突につっかえたりとドジっ子属性が親しみをもたらしてるみたいな。

でもすごい長く生きてる爺さんなわけです。髭もふっさふさロング。
この絵では、ちゃんと生きてきた爺さんらしさをピックアップしました。

参考にしたのは本場のサンタクロースの髭と晩年のいかりや長介です。
ちゃんと生きてきた、という要素を眼差しに入れています。鋭さも欲しかったので猫の細い黒目と金色、差し色で青をIN。

背景は年月の重なりや時の経過をイメージして、スピード感ある鉛筆塗りに。
所々シャッシャとした塗り線ではなく、ぐにゃんとした線を入れており、これは時間のイメージでブレた夜景写真とか光跡写真、(抽象的な意味での)フィラメントを参考にしています。

他には、高校の担任の先生も記憶から取り出していました。

わたしの高校は3年間同じ担任でした。当時で50代くらいだったのかな。先生も洋画家で、卒業してからはほとんどお会いしていないにも関わらず今もなお人物・作品に影響を受けています。わたしは「素直がいちばん」が口癖のひとつなのですが、それを言ったのがこの先生です。
人への眼差しにあたたかさと厳しさが両立できる人で、まだ大人しかった高校生の頃は自分のずるいところも見透かされそうでちょっと怖かったです。

こんな目ができる大人になれているかなあと、今でも思い出します。


いいなと思ったら応援しよう!

清世/画家
お読みいただきありがとうございます。皆さまからのあたたかなスキ・コメント・シェアは心の栄養に、サポートとご購入で制作が続けられます。