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【季節の日記】レインボーな桜と血縁

夕飯時につけたテレビで、夜桜ライトアップが中継されていた。
7色の明かりが投影された桜並木に、アナウンサーやレポーターが「きれいですねえ~!」とテンションを上げている様子を見て、一緒に食事をしていた母が突然

「お母さんこういうの全然いいと思わないわあ」

と言い出した。

母はコミュ力お化けであり、その真髄は「自分で決めない」にある。
意見を聞いて決めたいことを2択で質問すると、え~、どっちもいいなあ!決められな~い!どうしたらいい?と本気で答えてくれる。

その母が、レインボーな夜桜ライトアップは良しとしない一択なのだ。
私の脳内が一大事である。
兄弟がいれば確実に姉さん、事件ですと発していただろう。

母曰く、桜は昼に自然の光の中でお弁当を食べながら見るのが好きだそうだ。

たしかにテレビの桜並木は緑色や青色、ピンクなど、都会のなんたらタワーとかなんとかツリーに使われるようなネオンカラーをまとっていた。

そして、母が意見を述べる前に、私も「桜は淡い色の儚さと長い年月を感じさせる木の幹がいいのに、品のない色で覆ってしまうともったいない」と思っていた。

自然のもの、特に花はそのままの色が最も美しい。

親子は大人同士になり、合わなくなってしまった面も多くある。
けれど、私に自然の色を尊ぶ心を根付かせてくれているのは、あの父とこの母が私の両親だからだ。

来月は何を贈ろうか。





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清世/画家
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