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ダムタイプ『2020』にはダムタイプの軌跡がすベて詰め込まれている!(ネタバレなし)
マルチメディア・パフォーマンス集団のダムタイプが、新作パフォーマンス映像を期間限定無料配信するというニュースが飛び込んできた。
『2020』は18年ぶりの新作で、2020年3月に京都で上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止。無観客で収録された映像が10月に同じく京都で上映された。
私は3月のチケットも取っていたし、10月の上映会にも足を運んだ。そんな大好きなダムタイプの作品をもう一度観ることができるのは本当に嬉しいし、1人でも多くの人に観ていただきたいと思う。
そこで今日は、ネタバレなしでダムタイプ『2020』の魅力を語りたい。
ダムタイプ入門編でもあり、集大成でもある
ダムタイプは一般的な舞台とは違って、アート性の高い抽象的な舞台だ。作品のメッセージを一言で表すのはとても難しい。でも『2020』は、それぞれのシーンが何を暗示しているのか、なんとなく察しがつくと思う。それは、18年前には想像もつかなかったであろう、スマホやAIのある日常。直接的な表現ではないけれど、きっと自分の頭の片隅にある何かの記憶が刺激されるのではないかと思う。そういう意味で、ダムタイプへの入口としても『2020』はおすすめしたい。
一方で、『2020』にはこれまでの作品のオマージュがたくさん散りばめられていて、それに気づいたときの嬉しさを体感してほしいという思いも正直ある。まだ配信日まで時間があるので、ぜひ以下に紹介する過去の作品(ダイジェスト)をYouTubeで観てみてほしい。
『S/N』(1994年)
ダムタイプと言えば『S/N』です。エイズや同性愛への偏見に一石を投じた、ダムタイプの中でもかなりメッセージ性の強い作品。舞台の後ろに次々と人が倒れていくシーンは一度観たら忘れられない(後ろに倒れるのはかなりの勇気が要りそう...)
『Voyage』(2001年)
中心には巨大な黒い円。正面の映像が床に反射することで、その上にいる人がまるで旅をしているよう。航海図のような映像も幾何学的で美しい。
ダムタイプの特徴は「音楽・ストロボ・言葉」
ダムタイプの全ての作品に共通しているのが、重低音と電子音で構成される「音楽」だ。不規則に鳴る心電図のような音は、ダムタイプの顔と言っても過言ではない。観るものを時に安心させ、時に緊張させるような音楽の存在感は凄まじい。音楽だけを聴いても、本当にかっこいい。
そして、ダムタイプはストロボを使った演出が非常に多い。これは、クラブカルチャーに影響を受けたものだそうだ。電子的な音楽との相性が良いし、ダムタイプの世界観を生み出す重要な演出だ。
そして、舞台上に投影される言葉がとても印象的だ。何が書かれているかを瞬間的に全て把握するのは難しいが、ほとんどセリフのないダムタイプの舞台において、作品を理解する一番のヒントになるし、無数に表れる単語の数々からは怒りと反抗心が感じられる。
2020年の終わりに配信される意義のある作品
『2020』は、今年がこんなことになるなんて想像する前から創られていた作品だが、あらゆるしがらみから解放されて、自由を謳歌するようなパワーのある作品だと思います。12/25〜27の無料配信、どこにも行けそうにない年の瀬に、1人でも多くの方に届きますように。
〜おまけ〜
ダムタイプの代表作『S/N』についての解説動画をYouTubeに上げています。初動画なので至らない点が多々ありますが、よろしければご視聴ください!
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