愛が溢れまくる伊予灘線〜双海のばあちゃんち〜
盆休みに、青春18きっぷで愛媛県を旅することにした。
今回のメインの目的地は、上灘にある喫茶ポパイである。
きっかけは、たまたまクラウドファンディングのサイトにて、
大学を卒業したての若い娘さんが田舎のおばあちゃんの営む商店の2階部分を喫茶店兼ゲストハウスに生まれ変わらせ、双海の地域を盛り上げる!!というプロジェクトを見つけたことだ。
大好きな予讃線沿いということもあり、企画に共感した私はすぐさま寄付をし、その返礼として宿泊&飲食チケットを頂いたので、まとまった休みにポパイを目指して旅することにした。
今回は、フェリーで大阪から東予に渡り、そこから青春18きっぷで愛媛の旅スタート。
壬生川〜内子〜八幡浜〜伊予大洲〜下灘
ただ上灘駅に向かうだけでは物足りないため、とにかく予讃線を乗り倒すことに。
予讃線の車窓からは柑橘類などの果樹園や、ポコポコと可愛い島が浮かぶ瀬戸内海。
右も左も豊かな愛媛の自然を視覚的に存分に味わうことができ、本当に穏やかな気持ちになる。
そして、なんとなく八幡浜まで乗り、折り返して伊予大洲から"愛ある伊予灘線"に乗り換え、ついでに今や全国有数の人気駅舎となった下灘駅で途中下車してみる。
相変わらずの素敵な駅だが、ホームは車で観光に訪れた人でごった返していた。
「鉄道ひとり旅〜四国お鉄路参り〜」のDVDでダーリンハニーの吉川さんが「下灘も変わったなぁ…」と少々嘆きつつ「駅がたくさんの人に愛されることは良いことだし、鉄道はみんなのものだから…」と必死で自身の複雑な感情を納得させていた葛藤を、実感を伴って理解できた。(そして私もイチ観光客だ)
地域のボランティアさんが、観光客の方々に注意を呼びかけつつ、写真撮影のお手伝いなどしておられたのが印象的だった。
下灘駅で次の列車を待ちながら1時間半ほど過ごし、いよいよお隣の上灘駅へ。
この日はドミトリーに宿泊。
双海の雄大な海が目の前に広がり、すぐ近くには道の駅やビーチもある。
宿の横には、瀬戸内海によく似合う、予讃線のトレインビュー。
最高だ。
近所のお寿司屋さんでテイクアウトしたお寿司を、ポパイの屋上にて、だんだん夜の色に変わる海を眺めながらいただく。
ああ。やっぱり「何もない」って、「すべてある」ってことだな。
この小さなまちを愛する若い女性の思いに心動かされ、ここを訪れ、そして私もこのまちのことが心から大好きになった。
翌日は、土曜日だったので喫茶ポパイの開店日。
代々受け継がれてきた味を再現したという名物のいりこ出汁の中華そばをいただく。
素朴で優しくて深くて、スープも全部飲んでしまった。(普段は塩分で浮腫みがちなので絶対にそんなことはしない私が!)
そこにあるものを守り続けることや、
そこにあるものをそのまんま愛すること、
そこにあるものを魅せる工夫をすること。
それはきっと綺麗なことばかりではないだろうけど、まちを生かし、まちに生かされる人たちの人生を、これからもずっと応援していきたいと思う。