見出し画像

母、再診。そして。

2024/07末 母の通院日。

母の主治医より、母の携帯電話を介して、着電。 

例に漏れず、病識のない糖尿病患者である母は、10年程前に、膝から下を失った。我々の言葉で言う「アンプタ」、つまり、治療のために下腿を切断した。

そんな目に遭っても、病識は芽生えすらせず、ゆるやかに悪化していた。まあ、寛解すら期待はしていない、だって母だもの。

挨拶もそこそこに、現病歴の確認に入る医師。

外科医のような早口、神経質そうな口調。糖尿病患者からの評判は悪そうだが、医師として、私は信頼できる印象。

確認内容は以下。長いので読み飛ばして頂いて結構です。


糖尿病診断より経過観察中。親父の協力を得ながら、3回/日のインスリン自己注射により、HbA1cコントロールはまずまずだった(正常値4.6〜6.2%のところ、7.9%程度で推移)。

しかし、今年の4〜5月頃よりコントロール不良(HbA1c9.0%程度)になってきた。父が認知症になり、通院の付き添いがなくなった。自己注射の確認・見守りもできていない様子。

介護認定においては「要支援」しか取得できない可能性については理解されていた。今後施設で、となると「サービス付き高齢者向け住宅」、通称「サ高住」となり、費用がかさむため、医療保険内、つまり在宅医療・看護(最低でも3回/週)で対応していく事になるのでは、と。


ここまでちゃんと理解し、説明できる医師は評価高いぞ。

ここで上申。

自宅から病院まで車で20分かかり、しかし父は認知症なので、運転はさせられない。ここへの通院を断念し「近隣医療機関へ紹介」してもらえないか、と。

悪化した状態で紹介はできない。即答。

そして即提案。

2週間ほど入院して、今後の治療指針を固め、退院のタイミングで、そのまま近隣医療機関へ紹介したいがどうか。

否定する理由もない。お願いします。

週末の入院でどうか、と。

週末なら付き添い・送迎できるので、承諾する。ターゲット値としては、1回/日の自己注射でHbA1c8.0%でコントロールしたいとの事。

なお、自宅に大量の残薬(内服・注射薬)がある事を伝達すると「でしょうね。何年も診てますから。認知症の可能性もありますが、元々そんなキャラクターですよね。」

脱帽。

しかし結局、緊急入院となる。

ここ数日、食べれておらず身体が辛い、と母から申し出があったらしい。

このまま帰して、週末まで様子を見る利点はない。このまま緊急入院としたいが良いか、と主治医から、再度連絡がきた。

お手数、おかけします。

週末、主治医が病院にいるらしいので、今後の事について、直接お話を伺うことに。インフォームド・コンセント。


「とりあえず、付添の方が2人いるので、手続きは問題ありません。なので、今すぐ病院に来てもらわなくても大丈夫です。」

誰だその2人。

まあ驚かない、また熱心な信者仲間だろう。

その日の夜に、母から着電。

薬を飲まず、注射も打たなかったのは、「お父さんが変わりすぎたから。」「2人だけの生活だから、1番大変なのは私。」と。

「薬を飲まない・注射しない選択をしたのは自分だし、それを人や環境のせいにしないでください。責任はあなたにあります。」と伝えたら、相変わらず言い訳の羅列。

繰り返し伝えると、母は「もういい」と言って電話を切った。


看護師の私なら、期待していた言葉が出たかもね。仕事なら、ちゃんとしてるんですよ、私。

さて、ひとりになった父。

ひとりで心配、しかし安心。

緊急入院については伝えたが、理解してくれたかな。

まあ連絡があれば、状況の説明を繰り返すしかない。認知症ですから。


続く。

今回も母が主の話です。もともとはコチラが発端なんですが。↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?