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3分まとめ 「基礎から学ぶ認知心理学」
直感的なデザインやユーザのコンバージョン誘導に心理学は有用だと聞いたので読みました。結果、すごく良かったです。
3行まとめ
1.認知心理学とは、人が物事を認識する仕組みを解明するもの
2.我々の「選択」は錯覚
3.認知心理学の応用により、人の「選択」をコントロール可能
読書の意図:認知心理学のユーザ誘導への応用
・Webにおいても聴覚や嗅覚を訴求するデザインが可能
・思い出すシーンをコントロールすることが可能
・インタラクティブの際には、ユーザのスクリプトを呼び出すと親切
・また、そのスクリプトを裏切らないこと
・アインシュテルング効果により、市場が隠れているかも
・ピークエンドをコントロールすることにより、満足度を高められる
・飲み会の雰囲気のサイトを作ることで飲み会で思い出させやすい
印象に残った内容
知覚→認識(同定)
・自分の知っている何かと認識するのと単に知覚するのは違う
・空間情報は実空間や身体方向と一致する形で与えられるべき。
・右耳から聞こえた場合、レバーを右に倒す方が素早い操作が可能
損失回避の法則
・人は利益獲得よりも損失回避を重視する
・自分のものを失うのは大きな損失に感じられる(保有効果)
・損失回避は強い現状維持バイアスの原因にもある
スクリプト
・人が持つ共通認識をスクリプトという
・例えばフォーム登録の際にはそのスクリプトが呼び出される
流暢性
・文字サイズが大きい(目に入りやすい)とわかりやすい気がする
・が、実際には成績は変わらない
ヒューリスティック:直感。大抵の場合うまくいくこと
・知っていることを重視する直感(再認ヒューリスティック)
・過去の経験が邪魔をする場合もある(9点問題)
・従来の方法に拘り別の良い方法を無視する(アインシュテルング効果)
・自分の仮説にあう事例ばかり探す(確証バイアス)
・負事例検証が疎かになる
・効用は総量と関係なく、ピークとエンドの平均値によってきまる
・幸福のために無意味な痛みを与えるのが正しくなる
・快楽にすぐ順応してしまうので、もっと強い快楽が必要になる
裏切り者検出
・互恵的利他行動(社会契約)には、コストを上回るお返しが必要
・お返しの仕組みが崩壊しないように、裏切り者検出が必要
人間の選択と自由意志
・同じ問題でも捉え方(生存と死亡)で判断が変わる(フレーミング効果)
・AB選択よりもABC選択の方がBが選ばれやすい(妥協効果)
・Cが意味のない選択肢でもAをBに誘引する(誘引効果)
・何を探すかに関係なく、理由を探しやすい選択肢が選ばれやすい
・選択肢が多いと選べない
・選ぶのに負荷が高くなる
・選ばないことによる損失回避が影響
・単純接触効果(接触が増えるだけで好感が高まる)
・意識は後から生まれる
・選択してから理由を生成する(自由意志錯覚)
・水の中で覚えたことは水の中で思い出しやすい
感想
認知自体は日常的に行っていることですが、それが言語化されて説明されるのは新鮮かつ新たな発見が多くありました。個人的には、人間の選択は錯覚である(=自由意志錯覚)は衝撃です。しかし逆を言えば、人間の選択はある程度工学的にコントロール可能であるということは、起業家目線では朗報です。認知心理学は多くの場面に応用可能なので、今後も定期的に学習していきたいと感じました。