AIで今敏監督の画風を「実写風」に近づけさせたらどうなるか?(怖い画像注意)
※少し怖い画像が含まれるので注意である
今敏監督は『パーフェクトブルー』『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』『妄想代理人』という映像作品を中心に、言うまでもなく、素晴らしい作品を残されたアニメ監督である。私事だが、生前に一度だけお話させていただいたことがあるのはよい思い出だ。その今敏監督の凄さの一つとして「絵の上手さ」が挙げられることが多い。それも、リアルであること。顔の描写も素晴らしく、生前、「変な顔の写真集(だっけ)」を持っていたという話も聞いたことがある。今回、監督の画風を深堀りをするために「AI」を活用してみたのですが、興味深い・・・というかインパクトが強いものができてしまった。というのが今回の話である。
さらには、AIで「デフォルメとは何か、強調とは何か」を考える一助になるのかもね、と言う話にもなるのだが…百聞は一見に如かず。お付き合いいただきたい。まず、AIで今敏の画風を生成してみる。こんな感じだ。
やや初期の作品ぽいのと、顔に特長がない女の子なのと、目が大きめのキャラクターなので、今敏監督の真骨頂の絵ではないし、初見の人には「今敏監督はリアルな画風」と認識されないかもしれないが、まずまずである。
少なくとも、誰の絵?と聞かれたら「今敏監督ぽい」とは言われるであろう。
次に、これらの少しずつリアルに寄せて出力していった。
すると…
こうなった!
ここでは、意図せず怖くなった&年齢高めになったが、それはそれとして見てください(このあと、そうでない画像もあります)。ただ、怖く感じるのも監督の数ある演出にあっている気がする。
ちょっとリアルさ加減を失敗している気もするが、明らかに「今敏風」に見えないだろうか。出力したものを並べておく。
年齢を若めにしたり、ややアニメ寄りに戻してみると次のようになる
もともと自明なこととして、監督の画風は、『パーフェクトブルー』の終盤や『パプリカ』の夢の場面などで、ホラーチックな描写に貢献していた。それは安直に、「監督の画風=現実に近い画風」だからだと思っていた。ただ、こうしたものを見ると、監督の画風は100%現実に近いものではなく、監督らしい誇張は存在しているのかもと感じた。
生前の監督へのインタビューで「なぜ実写でやらないのか」というものは昔からあったらしい。ただ、監督の作風が実写寄りだからといって、実際に人間に演じてもらうとすると…少なくとも今敏風のビジュアルの世界観と同一にはならないのだろうと実感した(妄想代理人の一部のキャラクターはちょっと例外かもしれないが)。
そんなことを感じつつ、「今敏風の絵」「リアルな絵」「リアル」の境界を見つけていく。もう少しやり方はある気がするが、AIはそれを考える一助にはなるかも。
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▼世界中のロケ地探訪もしています!今敏監督作品も。
▼今回画風について述べましたが、物語はまたの話