退職代行サービス利用規約を読み解いてみた
利用規約ウォッチャー みなしボウイです。
大型連休明けということで、退職代行サービスの利用が伸びているということです。
退職代行サービスとは、労働者の退職の手続を代行するサービスのことを指し、2018年ごろからメディアでの紹介によりその存在が知られるようになりました。比較サイト等を見た感じでは、現在10~20社程度の退職代行サービス業者が存在するようです。
今回は「フォーゲル綜合法律事務所」「退職代行OITOMA」「EXIT」の利用規約をウォッチしながら、退職代行サービスについて触れていこうと思います。
安心安全にサービスをご利用頂けるポイントになりますので、最後までよろしくお付き合いください。
退職代行サービスの分類
一口に退職代行サービスと言っても、その運営主体の属性によって「代行」出来るサービスの範囲に違いがあります。
弁護士(弁護士法人含む)が直営している退職代行
弁護士は依頼を受けて「法律事務」を処理することを職務とする専門職のことですが、これを業として行うことは、弁護士法の定めにより弁護士のみが許されています。このことが退職代行にどのように影響するのかと言うと、退職希望者の代理人として立てるかどうか、ということになると思います。
弁護士法人運営の「フォーゲル綜合法律事務所利用規約」によると、退職希望者の代理人として立てるということは、企業への交渉を弁護士へ依頼出来るということになります。この交渉とは、退職意向を伝えるのみならず、有休取得や残給与支払いの交渉なども含まれます。
労働組合が運営あるいは連携している退職代行
弁護士資格のない業者が企業に対して示談交渉などを行うこと(非弁行為)が違法であることは、先述した通りです。そこで最近増加しているのが、労働組合型の退職代行サービスです。
労働組合(退職ユニオン等名称は多数)には企業に対する団体交渉権が憲法で認められているため、退職日の調整や未払い賃金の支払い請求などの直接交渉が可能となっています。しかし、一概に労働組合型の退職代行サービスだからといって、可能な交渉全てを取扱っている訳でも無いので注意が必要です。
「退職代行OITOMA」は、労働組合日本通信ユニオンと連携している退職代行サービスですが、その利用規約には以下の定めがあります。
一般企業が運営している退職代行
退職代行サービスが有名になって非弁行為の違法性が指摘される前に最も多かったのが、このタイプでした。
一般企業が運営する退職代行サービスにできることは、本人に代わって使者として企業へ退職意向を伝達することだけ、になります。弁護士事務所や労働組合とは異なり、企業との交渉にあたることはできません。
退職代行サービスの老舗である「EXIT」の利用規約では、以下の定めがあります。
退職代行サービスの有効性
「即日退職」や「退職成功率100%」を謳うサービスが多くありますが、そのほとんどが第三者調査等を踏んでいない広告表示です。退職代行サービスにまつわるトラブルも事実起こっている状況です。
退職希望者の大きな助けになることは間違いありませんが、希望通りに辞められる保障が無いことも認識しておく必要があると言えます。
まとめ
個人的には、会社を辞めたければ辞めれば良い、と思っています。スカウトもエントリーも機械的に流せるこの時代に、辞めるときだけ誠意を見せろというのは、ちょっと違うかなというのが率直な感想です。私は退職代行サービスを利用したことはありませんが、辞め方も自由だと思っています。
今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。