これからのフィットネス業界での戦い方
こんにちは。LIBRARYという筋トレを中心としたコミュニティサービスを運用しているkoyoです。
2017/9にリリースされたLIBRARYは、2019/5時点でユーザー数7万人・トレーニング記録数27万件と、筋トレを中心としたコミュニティとしては日本で最大規模になりました。
個人のサイドプロジェクトとしてゆるやかな運営されていることもあり、私の本業が忙しくなると更新が止まり、本業が暇になるとアプリのアップデートが行われるという体たらくな状況です。にも関わらず、たくさんの人に使っていただいて本当に嬉しく思っています。
そんなLIBRARYですが、複業でやっていた会社をバイアウトしたので、今後はちょっと本格的に取り組んでいこうかな、、と考えています。
それにあたって、これまで考えてきたことや、これから実現しようとしていること、日本のフィットネス業界について考えてきたことなどをまとめていきたいなと思います。
マクロで見た日本のフィットネス業界について
フィットネス業界全体の市場規模は年々微増といった傾向はここ数年かわっていません。とはいえその内訳は、既存の老舗系のジム(コナミスポーツなど)の成長というよりも、エニタイムフィットネスやライザップをはじめとする新形態のジムの拡大に支えられている形です。
ジョイフィット:2016年100店舗→2019年現在250店舗
エニタイムフィットネス:2015年100店舗→2019年現在500店舗
※ それぞれプレスリリースの数値を拝借
また、マクロで見たときに「若者」よりも「高齢者」の方がジムの利用者が増えているという状況もここ数年続いています。退職後の団塊の世代の方々などが健康目的でジムに行くといった構図です。
少し古いデータですがこちらから詳細の情報を確認できます。
ミクロでみた日本のフィットネス業界
ここからは、私の目線で見たミクロな視点でのフィットネス業界についてお伝えします。なお、ここは統計に基づくものではなく、私の観測範囲内の事象ですのでご注意ください。
若い女性トレーニーの増加
ミクロで見た場合のフィットネス業界のトレンドとしては、「若い女性の増加」があげられます。
AYAさんをはじめとしたアイコンとなる女性トレーナーの存在や、Instagramなどへのトレーニング写真/女性の肉体美の写真の投稿などの増加に引っ張られる形で、若い女性のトレーニーが増えている印象を受けます。
私自身、ユーザーの観察も兼ねて色々なジムでトレーニングを行なっているのですが、どのジムにおいても数年前と比較すると若い女性の比率が増えた印象があります。(これはそろそろどこかに調査結果があるように思えます)
トレーニング周辺サービスの増加
数年前と比較し、トレーニング周辺サービスが徐々に増えてきている印象を持ちます。スタートアップ界隈でもトレーニング関連サービスの資金調達の話を聞いたり、私自身も幾つか相談を受けたりしました。
一つ一つの事象は大きなものではないのですが、徐々に波が来ているような気はします。とはいえ、市場が大きく変わるようなゲームチェンジャーの存在は今の所観測できていません。
これまで考えてきたこと
そんなフィットネス業界ですが、相も変わらずトレーニーの孤独という課題は一向に解決していません。
筋トレをするときは一人です。補助がついたりすることはあっても、自分一人でバーベルやダンベルなどを持ち上げたりします。でも、筋トレが終わったあとも一人なのはやっぱり違うよなと思っています。
また、ジムの選択肢が増えて、女性にとってのジムのハードルも大きく下がった状態であっても、ジムに来る女性や筋トレ初心者の多くはこんな行動をとります。
ジムに入る。
周りを見渡して、何をやれば良いかわからない顔をする。
とりあえずランニングマシンで走る。
ちょっとストレッチをして帰る。
これって色々勿体無いですよね。とはいえ、能動的に筋トレの知識をつけるほどの何かもない、みたいな。でも、何かを変えたいと思ってジムに来てるはずなんですよね。その気持ちはなんか大事にしたいんです。
多分これって、一人だからこうなっちゃうんだよなと思っています。教えてくれる誰かはいないし、でも、教えてもらうのはちょっと恥ずかしいし。最初からパーソナルトレーナーを頼むほどのお金も必要性もわからないし。
ここが解消されない限り、フィットネス業界は一向に変わらないと思っています。
これから実現していきたいこと
トレーニーの孤独と向き合う。これに尽きます。そのため、これまでLIBRARYで実現してきたことと同様に、トレーニー同士が気軽に交流できる場所という部分を突き詰めていきたいなと思っています。
また、当初はコアなトレーニーの方をイメージしてサービスを作っていましたが、実際の利用者としてはライトなトレーニーの方も多く、サービスとしてもっと裾野を広げるべきだと最近は考えています。
ユーザーさんが仰っていた言葉ですごく印象的だったのですが、「トレーニングをしているだけで偉い」んですよね。強い、弱い、ベテラン、素人、そんなことは関係なくて、ジムでも、自宅でも、長時間でも、短時間でも、自分と向き合ってトレーニングをするという行為自体が尊いなと。
その尊い行為自体を、みんなが素直に受け入れてくれる場にしていきたいなと。
そのための戦略
単純な交流を生むだけであれば、TwitterやFacebookなどの既存のSNSを使えば良いと考えています。とはいえ、それだけでは上記のことは実現できないと考えています。
例えば、「本当に筋トレしているかどうかすら怪しい人からのアドバイス」があったとして、そのアドバイスを本心から聞き入れられるでしょうか。私だったら、せめてちゃんと筋トレしてから出直してほしいな、、とか思ってしまいます。
そのため、LIBRARYではファクトの記録をより大事にしていきたいなと思っています。ファクトが記録されているからこそ、そのユーザーは信頼できる。だからこそ、アドバイスやコメントにも意味が出てくる。
いわば、筋トレをすることでの信頼貯金みたいな世界観です。ここを実現していきたいな思っています。
おわりに
脳筋みたいなnoteを書いてみましたが、なんだかんだトレーニングは楽しいし、肩こりもしなくなるし、お腹も凹むし、みんなやればいいのになーとかたまに思っています。
体型維持が目的だとした場合、「運動しなくても体型が維持できるサプリ」みたいなものができるとジム業界はしぼむ、、、的な話もあったりするのですが、私はそうは思っていません。なんだかんだ、運動って楽しいので。
LIBRARYのAndroid版を出す出すといって1年半以上経ってしまったので、そろそろ本気出すよって話を宣言する意味も兼ねて書いてみました。
アプリの開発の進捗はTwitterで公開していくので、筋トレ好きな人も、サービス好きな人もフォローしてもらえると嬉しいです。
まいにちのご飯代として、よろしくお願いします。