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【恋人たちの曲 悲愴】
(70英)
歴史上でも偉大な芸術家チャイコフスキー その私生活での苦悩 それを払拭するように類まれなる才智による創作活動を続けた彼の劇的な生涯を画く。 そう書けば退屈な映画のようにも思えるが、ケン・ラッセル監督の手にかかると、バレンチノもマーラーもみんな性格破綻者の血祭りにあげられたように、チャイコフスキーも血祭りだ。
あの鬼才ケン・ラッセル監督が「肉体の悪魔」の前年に撮った作品
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変態趣味炸裂 コレラ蔓延 大砲でぶっ飛ぶ首 療養所での食料奪い合い 漁り喰い 焼死 エクソシストばりのトラウマ必至の鬼気迫る映像のさなか、絶えず流れるチャイコフスキーの雄大な交響曲のコントラストが凄すぎる
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史実とどの程度整合性を持つのか想像もつかないが、絢爛たるイメージの洪水に圧倒されながらも、母親が錯乱した幼少期を過ごし、姉の手により男性の恋人(?)と引き裂かれ、狂気に至る道筋もしっかり引かれている。
性病で死にかけ、大量に投与されたモルヒネで浸る幻想世界に、こちらまで宵越しの悪夢に引きずり込まれてしまう。
「リストマニア」「肉体の悪魔」も含めて石井輝男監督のエログロ作品群とどちらが変態か比較したくなる程の大傑作。これを劇場公開して、みんなでお薬飲みましょう。四の五の言わず誰もが観れるようにすべし。
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