「記念品」
「風が長引きすぎて、このままだと献血に行けないかもって焦ってます」
「三日後か…もしアウトやったら46回目にして初めてだな…」
「せめて50回はノーアウトで行きたいんですよ!」
シーン
「…では、授業を再開しましょうか。
まず、Aさん。今回も当ててしまってごめんなさい。」
「いえ、お役に立ててむしろうれしいのでお気になさらず!」
「有難う。それじゃあ、前回の復習に移ります。
これまで献血を呼びかける場合、先の監査官様のように『輸血を必要としている患者様の存在や私たちの利他精神に訴えかけることが多かった』こと、しかし『その方法に頼ってはこのまま献血者数が減っていくのを止められない可能性がある』こと、『これからは献血者に対する自己利益的インセンティブを用意することを考える必要がある』ことを話しました。
そして前回皆さんに、献血によって得られる自己利益的インセンティブの例を考えて提出してもらいました。
今日はそれを順番に発表してもらい、実際の現場に活用する方法について考えていきたいと思います。」
~~~
「それでは先ずはKさん、発表をお願いします。」
「はい。
私が挙げたのは『献血時にもらえる記念品』です。
かなりオーソドックスなものではありますが、私は特に『記念品を得る方法が非常に多様であること』が面白いと思ったのでこれを挙げました。
具体的には、
誕生月キャンペーン
都道府県限定キャンペーン
ルーム限定キャンペーン
次回予約キャンペーン
SNSキャンペーン(アカウントフォローや投降の拡散など)
ラブラッドキャンペーン(登録、ポイントシステム)
シーズンキャンペーン(学生献血推進協議会のクリスマスキャンペーンなど)
時限キャンペーン(平日限定、夕方限定など)
種別キャンペーン(成分献血限定など)
コラボキャンペーン(企業、アニメ作品など)
年代別キャンペーン(学生など)
複数回キャンペーン(3スタンプ制など)
私が実際に経験したものだけでもこれほどの種類があります。
一つ一つの記念品は『無償・非売血』の原則によりそこまで価値のあるものを提供できずとも、このような記念品キャンペーンを組み合わせることでいわば『数え役満』を狙うことが出来ます。
なお、この方向性における課題としては『キャンペーン種類が多いため献血者にその情報を一括して分かりやすく伝える』ことが必要になることです。
私の案は、以上です」
「Kさん有難う。では皆さんの感想も聞いてみましょうか」
(続く)
「続くんやな。」
「Kさんは『優しいオタク』です。この後『じっくり育成したいオタク』『沼に引きずり込むオタク』『関わってはいけないオタク』が出てきます。」
「いやKさんも多分すでに読者様からは『ヤバいオタク』と思われてると思うんだが…」
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