〈東京と食〉おいしい麺に憧れるグルテンフリー生活8年目「蕎麦店・うどん店・市販麺」を紹介
今回はイギリスから帰国後はじめて〈◯◯と食〉シリーズの東京編を書いてみることにしました。初回は「麺」について。
(これまで紹介しているシリーズは〈旅と食〉〈ロンドンと食〉)
この記事では、帰国後に食べて美味しかったグルテンフリー麺、家庭用に購入している商品を日本製に特化し紹介します。専門店ではない一般的なお料理を出すお店も含まれます(グルテンフリーではない家族や友人と一緒に行ける)。また、プラントベース情報もあり。
過去の体調不良をきっかけにグルテンフリー生活を始め、この8月から8年目に突入しました。開始当初は、完全除去しなければならずカナリ苦戦したのですが、医師の指導のもと自宅で食事療法をしながら通院し、状況はかなり改善。もちろん体調も回復しています。
私の場合、現在でも可能な限りグルテンを除去した方が体調が良いですし、この生活がすっかり定着しているので今後も継続していくでしょう。
ただ!元は小麦粉大好き人間。おいしいパンや麺への執着を消し去ることは不可能なのです。常に、食べられる範囲の中で「おいしい」を追求したい。
お蕎麦屋さんの十割蕎麦
日本へ戻ったら行きたいと思っていた場所のひとつがお蕎麦屋さんでした。
現在は世界的な日本食ブームで、ロンドンやパリのような大都市と呼ばれる街では特に、寿司・天ぷら・ラーメン・うどん・焼き鳥など、ちゃんとお店を選べば海外であっても日本で食べるのと大差ない質のお料理をいただくことも可能な時代。
しかし、お蕎麦屋さんに関しては、これらに比べるとまだそこまで選択肢がない印象。乾麺であれば、現地のスーパーマーケットでも入手できて、そば粉100%の十割蕎麦(つまりグルテンフリー)も買えるのだけれど、お水の違いは影響が大きくて、おつゆも含め想像している蕎麦の味にはならなかったりするのです。※イギリス・ロンドンは硬水
厳格にグルテンフリー生活をしている方や小麦アレルギーの方の場合、一般的に日本のお蕎麦屋さんで注意したいのは、十割蕎麦の選択肢があっても、そばつゆ用のお醤油に小麦入りを使っている場合があったり、十割以外のお蕎麦も扱っているお店では、茹でる釜が一緒の場合もあります。心配がある方は、お店の人に確認すると良いでしょう。
また、日々プラントベースの食生活を中心に過ごしているので、念の為その点についても触れると、お出汁に魚介類を使うお店が多いので、完全菜食(ヴィーガン)の人が選べるお店はまだ一般的ではない印象です。
「せお」新宿御苑前
帰国してわりとすぐの時期に訪れたのは新宿御苑前にある「せお」さん。国産の蕎麦粉を使用した、十割の手打ち蕎麦をいただけます。
※醤油の小麦については未確認
とても久しぶりの本格的な日本のお蕎麦だったこともあり、一口目のおつゆが沁みる!からだ中の細胞の隅々まで浸透しまくる感覚!「これこれこれ!」求めていたのはこの味ですよ。私たちのDNAに刻み込まれたソウルフード的な味というのは、簡単には上書きされないことを実感。
〈店舗情報〉
御苑前 せお
公式サイト:https://gyoenmae-seo.com/
所在地:東京都新宿区新宿1丁目3−5 新進ビル1F
「総本家 更科堀井」麻布十番
1789年創業の老舗、麻布十番にある「総本家 更科堀井」さん。名物は、そばの実の芯の部分だけを使う真っ白な更科蕎麦ですが、十割蕎麦や太打ちそば、季節の変わり蕎麦など、様々な種類があります。
小麦粉不使用のものを尋ねると、この日は十割蕎麦を勧められました。注文時にお願いすれば、茹でる釜も他の麺とは分けてくださるそうです。
※醤油の小麦については未確認
このお店で特徴的なのは、ヴィーガン専用のメニューも用意していること。また通常のそばつゆとは別に「植物性の材料で作ったそばつゆ」まであります!
一品料理もおいしいので、色々と頼みたくなってしまう。私は野菜補給に茄子の煮浸しを、同行した夫はボリュームあるかき揚げをそれぞれ注文。
〈店舗情報〉
総本家 更科堀井 (麻布十番本店)
公式サイト:https://www.sarashina-horii.com/
所在地:東京都港区元麻布3丁目11−4
※都内に複数店舗あり
「蕎麦おさめ」目白
西麻布から目白へ移転した「蕎麦おさめ」さんでお昼のそば三昧ランチ。ミシュランガイドに4年連続掲載されている名店です。
コースはそばがきから始まり、全部で7品。
このお店のこだわりである、希少な在来種のお蕎麦は香りも味も格別!3種の個性を感じながら、食べ比べを楽しみました。前菜も丁寧な品々で美味。心落ち着く古民家の趣ある佇まいも素敵です。
お蕎麦は十割です。事前の問い合わせで確認すると、コースの場合は前菜・デザートにも小麦粉は使用しないとのこと。ただ、使っているお醤油は小麦入りだそうです。コースのお料理について、メニューなど詳細も教えてくださいます。
〈店舗情報〉
蕎麦おさめ
公式サイト:https://soba-osame.gorp.jp/
所在地:東京都新宿区下落合3丁目21−5
玄米うどん「絵空事」原宿
原宿方面へ行ったら立ち寄りたくなるのが、玄米うどん店の「絵空事」さん。こんなにも正確にうどんを再現しているグルテンフリー麺に出会えたのはここが初めてで感動!以来すっかりファンです。
夏のあいだは、冷やしうどんをお美味しくいただきました。
しかも、このお店ではトッピングの天ぷらまでグルテンフリーで食べられます!
お出汁に、いりこ・さば節・スルメなどが使われているのでヴィーガンの人には適さないかと思いますが、ベジタリアン/プラントベースの具材やトッピングを選ぶことは可能。
〈店舗情報〉
絵空事
Instagram:リンクはこちら
所在地:東京都渋谷区神宮前3丁目27−3
なお、絵空事さんのおうどんに使われている麺は、オンライン購入も可能です。
家庭用に市販のグルテンフリー麺
ZENBヌードル 細麺
夏のあいだ、素麺の代わりに大活躍。秋冬は温かいつゆでいただきたい。材料がえんどう豆なので、罪悪感なく食べられるしタンパク質補給にも最適です。
ZENBシリーズは細麺に限らずお気に入りで、丸麺やラーメン(しお味・しょうゆ油)、テーマから脱線してしまうけれどパンもリピート中。
玄米スーパー麺
こちらもお気に入りのひとつ。原材料は国産の玄米と馬鈴薯でん粉のみ、ゆで時間60秒で扱いやすいのも魅力です。
もっちりとした食感で、味にクセがないので、様々な料理に合わせやすい。(麺のコシは強めのため、個人的な好みにより料理によっては2分ほど茹でて使うこともあります)
BIO-RALグルテンフリー玄米スパゲッティ
食品スーパーマーケット・ライフのプライベートブランド「BIO-RAL(ビオラル)」のグルテンフリー麺。原材料は自社栽培の国産玄米と海藻から抽出された増粘剤のみ、とシンプルです。
これまで海外製の麺を使うことが多く、パッケージに記載の時間通りに茹でても、ちょうど良い硬さに仕上がらないこともあったり......使い慣れるまでに研究が必要な場合もあるのですが、これはさすが日本産。初回からスムーズに調理できたのが印象的でした。
※購入リンクを探してみたのもも見つけられず......お近くにライフがある方は行ってみてください♪
また、美味しいグルテンフリー麺に出会えたら紹介したいと思います。
それでは、また!
※この記事は2024年10月6日執筆時点の情報です
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