「結婚」以外に共生する方法は? 35歳独身女が老後の生き方を考える
35歳女、独身・子なし・パートナーなし。
字面だけ見るとひたすら孤独街道を邁進している私ですが、正直、人生に流れる時間の総量を100とした場合、80くらいは「生きやすいな〜」と思っています。残り20くらいの「生きづらさ」は、たまに地元の田舎に帰って親戚に「まだ一人なの?」「良い人いないの?」と聞かれるときに発生するくらい。
一人だけど、自分で稼いだお金は100%自分の自由に使えるし、誰に断ることなく行きたいと思ったときに好きな場所へ行けるし、独身って最高だな〜! と思う瞬間のほうが多い。
一人だけど、私はフリーランスでもあるので、朝起きた瞬間に「気分が乗らないから今日は休みにしよ〜」と休日を満喫することもできるし、仕事の融通さえつけば1ヶ月バケーションにして南の島に旅行することだってできる。最高です。
35歳女、独身・子なし・パートナーなし。一人だけど、おおむね最高。そりゃクリスマスとか年末年始とか、孤独を痛感する時期もあるっちゃあります。
でも、通常時はどこ吹く風。一人で好きなことをしながら生きているぶんには、孤独を痛感して泣きたくなる夜なんて365日中7日くらいしかありません。
でも、ふと思うんです。
それは私が、まだ35歳だからなのでは?
「気力」「体力」「自由に使える金銭」のピーク
たまに冷静に我にかえるときがあります。
きっと、気力も体力も自由に使える金銭も、35歳のいまがピークなのかもな、と。
まず、気力と体力。人生の先輩方に話を聞くと、40歳を超えてからガクッと体力が落ちるんだそう。それにともなって気力も右肩下がりになっていき、雨が降っていたり気温が低かったりするだけで、外に出るのも億劫になっていくらしい。気力と体力は相関関係にある。
思い返せば、20代前半のころに聞かされた30超えの先輩の話も「30歳を超えたら身体が変わる!疲れやすくなる!」だった。幸いにも私は、最近始めたホットヨガのおかげで体力の衰えをそこまで感じずに過ごせているけれど、40歳を超えたらそうはいかなくなるはず。
そして、自由に使える金銭。子どものころ、我が家はお小遣い制ではなかった。買いたいものがあったら申告して、そのぶんのお金を都度もらうスタイルでした。学校で必要な文房具や参考書、本の類ならむしろドヤ顔で申告しやすいものの、それ以外だといちいち“必要な理由”をプレゼンしなければならないので、面倒。
それがいまや、稼いだ分は稼いだ分だけ自由に使える環境なのです。趣味の映画鑑賞も、純喫茶や酒場めぐりも、好きなだけ行けます。誰に気兼ねすることなく、成城石井のちょっと高い惣菜とワインを買って、乾杯することだってできるんです(一人だけど)。
まさに自由。だけど、きっとそれは今だけ。
気力も体力も自由に使える金銭も、35歳のいまがピークだとしたら、あとは少しずつ右肩下がりに衰えていく一方なのだ。
外を出歩くにも人の手が必要になる。怪我や病気をしたらベッドで寝たきりになり、食事やお手洗い、お風呂に入るのだって一人ではできなくなるかもしれない。
人にはいつ、どんな災難が訪れるかわかりません。もし老後、一人きりでは生きていけない状態になったとしたら、私はどうやって生きていくんだろう……?
だって、いま、一人なのに。これから何年経っても、一人きりかもしれないのに。
友達以上パートナー未満の存在と、共存していく生き方
35歳女、老後の生き抜き方についてアレコレ考えを巡らせていたとき、こんなドラマに出会いました。2024年にNHKで放送されていた、小林聡美さん・小泉今日子さん主演の『団地のふたり』です。
小林さん演じる奈津子(なっちゃん)と、小泉さん演じる野枝(ノエチ)は、幼稚園のころからの幼馴染。50代になっても独身で、慣れ親しんだ団地で暮らしています。
お料理上手&節約上手であるなっちゃんの元へ、大学で非常勤講師をしているノエチがたびたびやってきては、一緒にご飯を食べたり、テレビや映画を観たり、お互いの他愛もないグチを共有し合ったりする。
なっちゃんはイラストレーターですが、定期的な仕事はしておらず、たまにやってくるイラストの仕事とフリマアプリで生計を立てている。大学の非常勤講師であるノエチは、大学の仕事をしつつ、仕事に行く前や帰り際になっちゃんの家へ寄ってご飯を食べる。
冬になったらコタツを出して、二人でぬくぬく暖をとりながらミカンを食べたり、ときには、ほかの団地の住民がやってきて悩み事を相談していったりする。クリスマスやお正月には集まってパーティをしたり、誕生日を祝ったり。
私がこのドラマを観ていてひっそり感動したのは、なっちゃんとノエチの仲良しな様子ばかりではなく、些細なことで喧嘩をして距離が空いてしまう過程まで描いていること。
原作小説を書いた藤野千夜先生の手腕もさることながら、長く連れ添った友人同士の、言葉にしにくい曖昧な感覚まで描写されているんです。気まずくなってしまっても、また些細なきっかけで元の関係性に戻れる柔軟性。羨ましいったらありゃしない。
全10話、どの回もまったりとした団地暮らしの雰囲気と、ちょっとした示唆に満ちていてグイグイ観られます。回が進むほどに「これだよ……! 求めている生活はこれなんだよ!」と痛感します。
いわば友達以上パートナー未満の存在、と言いますか。お互いの、この先の人生まで見守り合えるような絶対的な存在が欲しいんだろうな……と、このドラマを観ながら思いました。
これまで「『結婚』『子ども』『家族』ぜんぶ興味なし。でも、パートナーは欲しい」という記事や、「あれ?もしかして私……友達ゼロ?大人になるほど友達ができにくい理由」という記事を書いてきた私。
結婚して家族を作りたいとは、積極的に考えていない。でも、お互いの人生を思い合えるパートナーは欲しい……という、ワガママ放題な考えについて綴ってきました。同じように考えているあなたと話したいがために、2025年1月18日(土)19:00〜21:00に「リアルで会って話す」イベントをします。
友情結婚相談所カラーズが運営している友情結婚マッチングコミュニティ「FrieMa +(フレマ)」内でのイベントです。
私が普段考えていることと合致する「友情結婚」という価値観。結婚まではいかずとも、一緒に人生を歩んでいける友達のようなパートナーが欲しい、という希望を形にしたようなアプリです。
私と同じように、恋愛や結婚観に悩んでいる人もいるかもしれない。パートナーが欲しい、友情結婚を望んでいるけれど、なかなか難しい……と考えている人もいるかもしれない。そんな人たちが、少しでも肩の力を抜いて、いまの気持ちをシェアし合える場をつくることができたら。
それは何よりも、私が望む世界を目指す一歩になるな、と思いました。
第一回目のイベント、トークテーマは「新しいライフスタイル語り合おう会 〜結婚か独身の2択しかないと思っていない!?〜結婚するかしないか、それ以外か〜漠然とした未来への不安〜」です。
集まった人数や、その日の状況によって、細かいトークテーマも準備しようと考えています。まだまだ模索段階で、小さく始まっていくイベントです。もしご興味があれば、ちょっとだけ頭の片隅に置いておいてくれると嬉しいです。