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ドラマ『119 エマージェンシーコール』がおもしろいです

GP帯のドラマは毎クール必ず追っているドラマ・エンタメライターを名乗っている身ですので、今クールはしっかり各ドラマのこと、おもしろいと思ったドラマの感想なども、しっかり長めの文章で残しておきたい所存です。

じわじわ始まってきていますね! 冬クールのドラマが!

まだ出揃ってはいないのですが、新しい月9の『119 エマージェンシーコール』が結構良いです。

舞台は消防局の通信指令センター。119番通報をひたすら受け、適切な対応をしていく部署です。主人公は司令課の粕原雪(清野菜名)。銀行員から指令管制員になったという異色の経歴を持ってます。

こういう医療系?救急系?のドラマは、どうしたって「命の大切さ」「人の心の重要性」みたいなものがテーマになってくるので、展開が読みやすいし中弛みしがちだと思うんですけど、少なくともこのドラマの1話は良かった!

まず、主人公の雪を演じる清野菜名さんはじめ、それぞれの演じているキャラクターが「役者本人のイメージ」と合致しているのが、違和感なく没頭して観られる要素のひとつなのかな、と。

雪の指導係で上司の兼下睦夫を演じるのは瀬戸康史。クールで歯に衣着せぬ物言いをするタイプで、自分でも「教育係に向いてない」と血も涙もない性格であることを自覚している。どことなく『院内警察』の榊原先生を思い起こさせます。

雪の同僚の与呉心之介を一ノ瀬颯、箕輪健介を前原滉。二人とも飄々としていて気さくで、かつ重要な案件にぶち当たっても良い塩梅で距離感を保ちながら、適切な対応をしている。こういうクッションというか、組織の緩衝材みたいなタイプ、一人や二人は絶対にいるよね〜と思う。めちゃくちゃ良いコンビ。仕事が終わったあとも必ず二人で帰っていきます。

同じく雪と同僚の新島紗良を見上愛ちゃんが演じていて、大好きな役者さんなので嬉しい! という理由以上に、彼女の持ち前の冷たさを伴った美しさというか、これがクールビューティというのね! って雰囲気が全面に押し出されていて、とても良いです。言葉少なで、休憩室でも必要なこと以外は話さないタイプなのですが、時おり長文の早口で話し出すこともあり、こちらも絶対に仲間内に一人はいそうなツンデレポジションかな、という感じ。

ほかにも中村ゆり演じる高千穂とか(課のトップ!女性の管理職を違和感なく描いているのもこのドラマに好感を持てるところ)、蓮佛美沙子演じる雪の姉・小夏とか(雪は幼少期に火事に遭っていて、おそらくそれきっかけで姉と気まずくなっている?この辺の事情が明かされるのも楽しみ。そしてこういうちょっとした闇を背負うのに蓮佛さんは似合いすぎてる)、言及したいキャラクターはたくさんいるんですけども、

なんといっても!佐藤浩市演じる堂島が!良いんです!

堂島も雪と同じく指令管制員ではあるんですが、そのキャリアは申し分なく、「レジェンド」という異名までついているお方。いったん管理職に就いていたけれど、また再任用という形で指令センターに戻ってきました。銀行員時代の雪は、たまたま堂島が消防イベントで話しているのを聞いて、管制員の仕事に興味を持ったという背景があります。

堂島さん、雪が一生懸命に仕事をしているのをちゃんと見守ってくれているし、重要な電話を受けて適切な対応をしたあと(詳しい顛末はぜひ本編を観てください!!!)、画面の隅で小さく激励してるのです!音が出過ぎないように人差し指と中指を合わせた形で、指だけでささやかな拍手を!その姿勢がなんとも好きです。キャリアがあるからって、男性の元管理職だからって、過去の経歴をひけらかさず自分の役割をまっとうしながら、しっかり後輩たちの面倒も見ている感じ、こういう上司だけで組織が成り立ってくれたらいいのに……と思わずにはいられません。

長々とキャラクターについてのみ書いてしまいました。このドラマ、1話は30分拡大なのですが、それを感じさせないくらいおもしろかったんだよな〜。その要素はキャラクター造形以外にもあるはずなので、今後もいろいろ分析しながら楽しんでいきたい所存です。

皆さんの今クールの推しドラマも教えてください〜!

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北村有
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