【月報2023年10月】元公僕が地域おこし始めてみた件
トップ写真は、大槌駅前で開催されたイスワングランプリの写真です。
10月は、
【新たな震災伝承のきっかけはすぐ側に】
【大槌の秋は盛りだくさん】
の内容でお送りします。
1.新たな震災伝承のきっかけはすぐ側に
10月の頭にかけて、大槌学園では8年生の職場体験が行なわれました。
その一つの受入先であるおしゃっちが休館日の火曜日に吉里吉里公民館での受け入れの手伝いを行いました。
吉里吉里学園の時と同じく、自分自身のらしさを詰め込んだオリジナルの名刺作成と名刺交換などを行いました。
また、その途中で公民館には地域住民の方々が集まって数独などをされていたのでそこに中学生も一緒に参加しました。
そこで地域住民の方から震災の話を自然と中学生にする場になりました。
中学生はその場の流れで震災について自分の知らないことを知る機会になったかもしれません。
経験した人に、震災について話してくださいと言ったら、かしこまったり、うまく話そうとしたりして、話す人の負担になるかもしれません。
また、日常の場で急に震災の話を聞くことになった場合、うまく心が整理しきれないかもしれません。
そして、外から見ている自分の目線では、うまく伝える場だと感じても、参加している人はそうではないかもしれません。
しかし、何か別のことでたまたま集まった人たちが、老若男女を越えて震災について、重荷にならずに話すことが出来る場というのも中には合っては良いのではないかと感じました。
現に自分にとって、震災を通して大切だと感じたことを知ることが出来たのは、震災について語る場ではなく、人と人が話す場の方が多いと感じています。
名刺交換で町内各所を巡った後は、大槌学園の生徒が普段訪れることの少ない吉里吉里地区を巡りました。
2. 50回目の吉里吉里地区運動会
10月1日に、吉里吉里小学校にて第50回吉里吉里地区運動会が開催されたので、参加してきました。
だいぶ前から吉里吉里地区の運動会のことや、夫婦船という変わった協議があること、競技後後にみんなで食べるカレーライスのことなどの話は聞いていました。
そして昨年も10月の第一日曜日の予定を空けていたのですが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で開催されずませんでしたら。
大槌に来て3年目でやっと念願の吉里吉里地区運動会に参加することができました。
自分は写真撮影をずっとしていたのですが、最後の競技の綱引きに参加しました。
4チームによる対戦なので、決勝戦や3位決定戦もあり、かなり盛り上がりました。
そして、互いのチームが一勝づつの時はもう一度勝負したので、5回も綱引きをやることになり、後で手の握力がかなり弱くなっていました(笑)
自分が生まれ育った地域の運動会とは人口がそもそも異なるので規模も違いますが、住んでいる人の距離感が近く吉里吉里地区ならではの運動会の良さを、よそ者ながら感じることができました。
また、カレーがとても美味しかったので、大槌に来て運動会が開催できなかった年の分も食べてしまいました(笑)。
そして人々が楽しんでいるところに行くは自分も楽しい、そう感じた一日でした。
自分がそう感じることができたのは、今まで運動会を続けてきた吉里吉里の皆様、運営、参加、そして美味しいカレーライスを作ってくださった方々のおかげだと思いました。
3.大槌のイベントの秋
町内のイベントを2日連続でお手伝いしました。
28日は三陸で初開催のイスワングランプリのスタッフ、29日は吉里吉里国の薪まつりのスタッフでした。
①イスワングランプリ
イスワングランプリはなんとか天気も良く、参加チームも16チームと集まって、怪我人もなく終えられてよかったです。
自分は大したことはできないですし、協賛金を集めたり、参加チームを募ったりするのは大槌の人の足元にも及びません。
なので、若さゆえの鉄砲玉として、大槌でやる前の視察として江刺のイスワングランプリに出場したり、5きげんテレビで大槌大会の告知に参加するくらいしかできませんでした。
来年の大会ではもっと力になれたらと思います。
②薪まつり
そして吉里吉里国の薪まつりは雨の中でしたが、お客さんも来られて、ピザ焼きで大忙しでなかなか写真を撮ることができませんでした。
大槌に来て、自分がしたいことを出来ている訳でもないし、そんなに役に立ってる気もしないのですが、なんとか隙間に挟まっていられている。
それが大事なんじゃないかなと思いました。
4.鹿子踊な日々
10/7 三陸芸能大発見サミット @キャッセン大船渡
10/8 BISTRO WANKO @橋野高炉跡
この2つのイベントに臼澤鹿子踊の演舞で参加しました。
自分の踊りはまだまだですが、行った先で8年ぶりくらいに知り合いに会ったり、外山鹿踊の演舞をしっかり観れたりできました。
初めて最初から観れた外山鹿踊は、うまく言えないですが感動しました。
それを観れた自分は本当にラッキーだと思います。
自分がこんなことに関わり、こんなことを考えている今を昔の自分からは想像もできませんでした。
でも、だからこそ初めての経験や発見があるのだと思いました。
それにしても橋野高炉跡のライトアップはきれいでした。
また、10月21日には、鹿子踊の頭のカンナガラに使われているドロノキの植樹に新山高原に行きました。
実際にここに育っているドロノキが使われるのは50年以上先ですが、鹿子踊の伝承や、それを担う未来の世代の為にも続いて欲しいと思いました。
そして、その後に鹿子踊伝承館で食べたキノコのたくさん入った熊汁と、マツタケの入ったひっつみ汁は今まで食べたことないおいしさでした。
5.ちおこの休日
①産業まつり
10月8日に開催された産業まつりでは商工会青年部の出展を手伝いました。
売り物が、今まで経験を積んで練習してきたわたあめだったので、大槌に来て今までやってきたことが少しでも役に立ちました。
その間になぜかステージ上で踊ることになった件はまた別のお話です(笑)。
②透明標本展の手伝い
10月7日~10月9日におしゃっちで開催されていた透明標本展の手伝いに行ってきました。
片付け作業の前に、様々な展示を見せて頂きました。
詳細は長くなるので省きますが、久しぶりに大槌で写真を撮りたいと思うものでした。
色々な人たちの写真を撮るのも、それはそれで楽しいのですが、久しぶりに珍しいものが見られました。
会場にいる限り来場者も多いと感じたので、また近場でこういった催し物が開催されたらうれしいです。
③すっぷぐを食す
安渡公民館で10月22日に開催された「みんなですっぷぐを食べる会」に参加してきました。
参加した理由は、大槌高校生がやっているからではなく、知り合いのはま留学生がやっているからでもなく、いつもお世話になっている安渡公民館で実施されるからでもありません。
ただ単に、自分がすっぷぐを食べたかったからです。
それだけすっぷぐが好きだからです。
大槌に来るまではすっぷくを食べたことが無く、食べた回数も両手の指で数えられるほどしかありません。
それでもすっぷぐが食べられると聞くと足を運ぶほど好きな食べ物になりました。
すっぷぐ愛を語るのはこれぐらいにしますが、結局何が言いたいかというと、話題性になりがちな要素より、自分の食欲が参加する動機になったということです。
1人でふらっと参加しましたが、結果として会場で出会った知り合いと話していたら1時間半くらい滞在することになりました。
個人的には十分満足できましたし、自分のように意識の高くない動機で参加できる場がこれからもあればいいと思いました。
④日帰りバスツアー
10月25日に安渡町内会の日帰りバスツアーに参加してきました。
主な行先は猊鼻渓の川下りで、初めて行くことが出来ました。
岩手県に今まで計4年半住んでいましたが、県内の観光地と呼べる場所にほとんど行ったことがありません。
なので、この機会に行くことが出来て良かったです。
なぜこういった場に参加しているかというと、仕事以外で大槌の方々と過ごし、共通の体験をする機会を増やしていきたいからです。
特に生まれた時から家族ぐるみの関係が多く、同じ人達と同じ場所で生きてきた人が多く、自分の経験は周りの経験でもある地域にとって、自分はずっといたわけでもなく、震災という共通の体験もしていない為、ずっとよそ者のように感じるのかもしれません。
なので、今の自分に出来る事は大槌の人と共に過ごす時間を少しでも増やすことだと思います。
それで子供のころから一緒だった人達に追いつくことはできないと思いますが、少しでも近づければと思います。
6.おわりに
10月は、まだまだ気温が下がらず、秋の気配も感じにくい時期でした。
都市部に住んでいた時も、大槌に住んでからも季節の変化を感じにくいのでたぶん心の持ちようなのだと思いました。
そしてイベントごとが多い秋ですが、もっと様々な時期にあればいいと思いました。
これから日が暮れるのが早くなり、西日本の人間にとってつらい時期が続きますが、頑張っていきたいと思います。
大槌町地域おこし協力隊
北浦 知幸(きたうら ともゆき)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?