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Photo by
saruogi_leon
under my skin #ファスナーをつけてみた
ベッドへ差し込む絹のような滑らかな光を掻き集めて束にした。
やわらかい光の束に左手の甲を照らすと、わたしの白い皮膚がやっと呼吸をはじめた。
昨日の出来事が淡雪のように溶けてなくなってしまった。
その残骸を確かめるけれど、どこにも見当たらない。
ただ、カラダの内側を流れている血潮は、熱を高めながらゴーッと音を立てている。
そして、わたしの皮膚の中であなたが呼吸をしているように分裂して増殖していく。
きみの瞳はファスナーのようだね。
あちら側とこちら側を繋ぐ瞳はいずれ消滅する運命でも構わない。
わたしの瞳はファスナー。
そっと左へ傾いた先には幸福が横たわっていた。