仕掛けていく勇気ー『シン・二ホン』から私が受け取ったギフト
はじめまして、北村早紀と申します。
「社会になくてはならない、と自分が信じれることにコミットしたい」
「自分と関わる人が、明日を前向きに過ごせるような”ドライバー”を作動させる役割を担いたい」
このような志を持ち、今は「人と社会を健康に」というミッションを掲げる企業の一員として、自治体の保健事業支援に取り組んでいます。
自治体で保健事業に取り組むみなさんは、「住民の方々が健康であり続けるために何をすればいいか?」を真剣に考えておられ、私はその思いをカタチにしていくためのサポートに勤しんでいます。
毎日の仕事は楽しいし、事業の効果が出たり、自治体のみなさんが喜ぶ様子を見たりすると、私も嬉しくなります。ますます、仕事頑張ろう!って気合が入ります。
でも、「今の事業だけでいいんだっけ?」「もっと将来を見据えて仕掛けていかないといけないのでは?」と、ふと思うときがありました。
「自治体の保健事業」ということで、政策の範囲内での事業、限られた予算、用途が明確に決められた補助金など、制約がかなり多い中で、効率・効果を追求していかなければいけない一面もあります。
日本の社会保障費は35.9兆円(*1)と、歳出の約35%を占めていて、年々増加傾向であることは周知の通りです。
自治体に限らず企業にも言えることですが、どこも人員不足、でもやるべきことは増えていくという状況です。
*1:2020年度当初予算、一般会計のみ、一般会計歳出総額は102.7兆円
何か変えていかないといけない。
でも、目の前の仕事をこなすだけで精一杯。
今の仕事をやり切ることも、とても重要。
毎日、それなりに一生懸命生きているしいいよね・・・。
取り組むべき課題が多い日本社会、COVID-19で否応なしに変化に適応しないといけない今、「このままでいいんだっけ?」そんなもやっとした感情を抱いていました。
知覚したことをどうカタチづくるか?
そんなとき、『シン・二ホン』が発売されました。
帯には「この国は、もう一度立ち上がれる。」というメッセージ。
著者の安宅和人さんは「日本が今どれほど世界から遅れをとっているか」について、ファクトを比較して見せ、私たちに現実を直視する機会をこの本を通して用意してくれています。
でも、現実を直視して悲観で終わるのではなく、「日本は伸びしろだらけである。やるべきことをやれば、伸びる」と前向きになれるエールと、具体的に着目すべき論点についてまで触れています。
特に、「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」という副題の通り、「人材育成」をどのようにしていくか、小学校から博士課程に至るまでの、現状の課題と提言が熱く語られています。AI×データリテラシーを年齢関係なく身につけないといけない。
今のところAI×データリテラシーもなく、理系素養0で30年生きてきた私にとってはちょっと尻込みしたくなる、そんな内容でもありました。しかし勇気ももらいました。
「実はデータやAIの力を解き放ったときに求められるのは、さまざまな価値やよさ、美しさを知覚する力であり、人としての生命力、人間力になる可能性が高い」(『シン・ニホン』p175より引用)
人材育成を中心に問題提起がされていますが、『シン・二ホン』のメッセージを、どう解釈するか、知覚するかは人それぞれであると思います。
感じたこと、知覚したことを、実際にどうカタチにしていくかは、私たち読み手一人ひとりに託されているなと感じました。
仕掛けていく勇気
もやっとした感情を抱いていた私ですが、『シン・二ホン』を通して安宅さんから「仕掛けていく勇気」というギフトを受け取りました。
過去を嘆いても仕方なくて、「今からできること」に注力したい。
政策の範囲内であっても、保健事業をアップデートしていくことはいくらでもできる。モデルケースを作れたら、政策のアップデートに寄与できるかもしれない。
冒頭に触れた35.9兆円、国家予算の約35%もの社会保障費。
私が取り組む保健事業支援では、この予算を効果的に使い、医療にかからずとも元気でいられる仕組みをつくる、疾患が重症化する前に治療をするといった、医療費削減への寄与が大事なミッションです。
社会保障費、なかでも医療費を削減していかないと、今の若者に膨大な負の遺産が残ってしまいます。
とはいえ、35.9兆円って自分からはかけ離れた、どこか他人事の話でした。
けれども、次の一言で、自分が今取り組む仕事の意義・重要性を改めて認識しました。
「数%で未来は変わる」(p321)
これは、『シン・二ホン』の中で私が一番好きな言葉です。
医療費削減の取り組みは、未来への原資を生むために欠かせない、大事な仕事である。
私のやっている仕事を再定義できたのです。
私は何を仕掛けていこうか。
まずはこの3つを仕掛けていきたいと思います。
①社内の元気を増強し、仲間を創る
一人でできることに限りがあるので、社内の活力を掻き立て、一緒に仕掛けてくれる仲間を創ります。その一歩として、社内報を始めました。
②「あったらいいな」をカタチにする
既に新規事業担当として動いていることもありますが、プラスアルファで「あったらいいな」をカタチにしていき、少しでも世の役に立つことをします。上司にアイディアレベルの提案をしたところ、今後具体的なビジネスプランとして創っていくことになりました。
③世の中に「仕掛けていく」仲間を増やす
ヘルスケアの領域でもそうでなくても、「シン・二ホン」の世界を一緒に描き、意志を持って創っていく仲間を増やます。「シン・二ホン」を読み、安宅さんから「仕掛けていく勇気」を受け取ったものの使命であると勝手に思っています。
読んでくださったあなたも一緒に仕掛けていく仲間になっていただけたら、とても嬉しく思います。一緒に頑張りましょう!
お読みいただきありがとうございました。
北村早紀
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