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のらねこ日記 ㊷

また会う日まで

  わが家に猫さんがいなくなりました。
「これで、一区切り、もう猫は、飼えないわ」と、要介護認定をうけた母が言いました。
「こっから先は、おまえ次第だ」と、まだまだ、こまめに家事をこなす父が言いました。
  私は、また猫と暮らしたいと思います。
でも、年齢的に子猫から飼うのは、難しそうだし、保護猫をひきとるにしても、色々調べましたが、60才以上でお一人様の私には、条件が厳しく、ハードルが高いのです。

  父は、少しずつ、猫トイレや水入れを片付けました。
  ポン太さんの残ったキャットフードは、お皿にいれて、野良猫さんたちが通る裏の水場に続く通路に置いてみました。すると翌朝には、1粒残さずなくなっていました。
  それから、父は毎日夕方に餌を外に置くようになりました。餌は、夜のうちに完食されていて、餌のストックがなくなると、父はわざわざ買い足しに行きました。
  そんなある日の夕方、外から帰ってきた私は、空のお皿の前で、2匹の猫さんがならんで座っているのを目撃しました。白にちょこっとぶちの入った子とボーちゃんに似た三毛で、私に気がつくと、あっという間に逃げていきました。
  その後すぐに、父が餌をやり、玄関の方からこっそりのぞいてみると、さきほどの2匹が仲良く1つの皿に頭をつっこんで、夢中で餌を食べていました。

  思うに、うちの歴代猫さんたちは、みんな向こうから、うちにやって来てくれました。
  だから、またどこかの誰かがうちの玄関前に来ないかなと、ささやかな希望を持って、その日を待っています。

夏の日の思い出


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