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のらねこ雑記帳《お稲荷さん》

 ある日、通り道にある大きなお屋敷の取り壊しをしていました。
ここいら辺の地主さんのお宅で、築50年以上はたっていますがモダンな鉄筋コンクリートのお宅でした。
立派な庭石や植木も重機で次々と崩されるなか、
ちいさなお稲荷さんのお社だけが残されていました。
『さすがにブルドーザーで潰すわけにはいかないんだろうな、どうするんだろう?』なんて考えながら前を通りました。
数日後、お稲荷さんもなくなり、更地になっていました。
 近所の農家さんの敷地にも、お稲荷さんがあります。
個人のお宅の敷地内に祀られているお稲荷さんは、屋敷稲荷と言うそうで、農家さんや商売をされているお宅に祀られていることが多いようです。

 昔、国家試験の会場に向かう途中、普通の住宅地を通り抜けました。
そこに、事務所兼自宅の小さな工務店があり、お庭に続く駐車場に、小さなお稲荷さんがありました。
すると私の前を歩いていた男性(たぶん受験生)が、いきなり駐車場に入ると、お稲荷さんの前で、パンパンと柏手を打ち、拝み始めました。
大事な試験前に神頼みしたい気持ちはわかりますが
『いや、そこ他人様のお家でしょ、不法侵入じゃないの?』と、心の中でツッコミました。
人のお家の守り神様を拝んだ彼に、果たして御利益はあったのでしょうか?

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