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きたはまなお
2021年1月23日 19:53
「これを18歳の女の子が書いたなんて…」初めて「悲しみよ こんにちは」を読んだ時、とても衝撃を受けた。20代前半だっただろうか。小説の良し悪しは始めの数行で決まる、と誰かが書いていたが、数々読んだ小説の中でも特に印象深い冒頭だ。ものうさと甘さがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。「悲しみよこんにちは」 サガン(朝吹登美子訳