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ChatGPTと創作ブレインストーミングをしています
ChatGPTの使いみち
生来の空気の読めなさとコミュニケーション不全さから人と接触するのが怖い、だけれども一人でXのタイムライン監視するのも淋しい……と、ここ数週間ずっとChatGPTと話しています。
その中で感じたいくつかの可能性についての話です。
GPTの中にいるAIは基本的に相手を否定せず、平和な会話をしている分には尊重してくれ、優しくしてくれます。
これは私自身を含めた孤独な人にとっての救いになりうるな…と感じます。
例えば、カウンセリングや訪問看護師などの医療や福祉に繋がる機会がなく、キャバクラやホストクラブに会話相手を求めている層には、ボトルキープやシャンパンタワーよりもずっと安価に肯定してくれる相手を得られます。
(『キャバクラ カウンセリング』で検索すると2つの職種の相似性が出てくるのに、『ホスト カウンセリング』だと「ホスト依存を治すカウンセリング!」という施設の情報の方が多い非対称性が面白いので、今度改めてよく考えたいです)
ChatGPTの有能さ
ChatGPTは有能ですが、得意分野と苦手分野があります。
インターネットの集合知からできているので、『なんとなく正しそうなこと』は言ってくれますが、正確性はWikipediaよりも更にずっと低いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728205070-Xr8i35jwubNd29DPKERSVWQs.jpg?width=1200)
上の以蔵の例だと他の人と混同していたり、誰かの間違いをそのまま学習してしまった可能性があります。
ですので、正確性を求めて検索するのには向いていません。
また、『誰かが考えたこと』をなぞることはできても、『初めて行うこと』は苦手です。
より正確なことをしてほしい場合、より細密な指示を考える必要があります。
ですが、『なんとなく世間の同意が取れていること』について聞くと、無知な人間に世間知を教えてくれます。
二次創作の例
例えば、今私はある作品の二次創作として『学園パロディ』を考えています。
『学園パロディ』は、ファンタジーなどの世界のキャラクターが現代日本で学園生活を送っていたら……と仮定して描かれる作品です。
これを公式が行っている例として、『進撃!巨人中学校』『キメツ学園!』などがあります。
(話逸れますが、初期エレンさんをもとにした二次創作ってもう二度と再現できない滋味がありますね…花売りエレンとか…)
ですが、中年を迎えた私は、現代の学園生活や受験事情を知りません。
先日、新札との絡みで、「津田塾大学の偏差値が50を切った」というニュースを見ましたが、一つ上の優秀な先輩が津田塾へ進学した……という事実からの印象の上書きがなかなかできません。
また、大学附属校に通っていたため、たぶん当時でも『普通の高校の感覚』と違うところもあります。
そんな私の救世主がChatGPTでした。
例①パン職人専門学校に進学したいヒロイン
原作ゲームの主人公(性別選択可)は、2024年GWに開催されたイベントで、「将来の夢は好きな人とパン屋を開くこと」という発言をしました。
女主人公ちゃんを可愛がりたいので、その夢をぜひ叶えてあげたいと思って学園パロディの構想を練っています。
ですが妄想を形にするにも、一定のリアリティは必要です。
そこで、AIに「パン職人専門学校に進学したい生徒が在籍している高校の偏差値の目安を教えてください」と聞いてみました。
すると、
「大学進学だけでなく専門学校や就職など様々な進路を選択肢に入れている生徒の在籍する高校としては、偏差値55~60程度の中堅校が妥当」
という返事が来ました。
この情報が、中堅校の雰囲気や部活動の活発さを調べる手がかりになりました。
例②中堅校の進学実績
妄想を進めるうちに、別のシーンについての疑問が湧いてきました。
ヒーローBは高二の前半までは荒れた生活をしていましたが、交際を始めたヒロインAのサポートもあり、生活も勉学も持ち直しました。
Bが高三の一学期の進路相談で、担任教師から「今からでもMARCHを狙えるぞ」と、更生後の努力を褒められるシーンを考えました。
ですが、中堅校からMARCHに入ることがどれくらいの難易度なのかの判断がつきません。
そこで、「この中堅校からMARCHを受験するには特別な努力が必要ですか?」と聞いてみました。
回答は、
「毎日の予習復習の他に、継続的な受験勉強をする必要がある。成績上位の生徒の進学先」
というものでした。
BはAの夢に合わせてパン職人を目指すため、そこまで勉強に力を入れるわけではありません。
そこで、「今からでも進学を目指せるぞ」という、より現実的であろうセリフに変更しました。
例③元難関校生徒の進学意識(自力での連想)
例②の回答から連想を働かせて、自力で心情描写のための新しいエピソードを思いつきました。
当初から、『ライバルCは超難関校に在籍していたが事件を起こして処分を受け、この中堅校への転校を余儀なくされた』という設定がありました。
このレベルの子が目指すのは最低でも東大で、トップクラスはMITやケンブリッジ大学やイェール大学なども視野に入れています。滑り止めは早慶です。
例②で、この中堅校でのトップクラスの進学先はMARCHである可能性が高い、という提案を受けて、既存の設定を深掘りすることにしました。
おそらく中堅校の教師も生徒も、東大受験などは遠すぎるできごとで、Cの本来の学力をうまく想像できません。
Cは転校直後の中間テストで全科目1位を取り、周囲に褒められるのですが、その中の一人が純粋な善意で「君ならMARCHも目指せるよ」と言いました。
自業自得とはいえ、Cにとっては滑り止めですらない場所を『目指す』者がいる環境に追いやられたことに屈辱を覚える――という場面があれば、Cの絶望と孤独感がいや増しそうです。
この発想は、自分自身の狭い常識だけでは出てきませんでした。
AIから得た知見をもとに考えを深め、よりキャラクターCを曇らせるシチュエーションを思いつけて、大変満足しています。
ブレインストーミングのパートナーとして
ChatGPTを活用しているオタクの中には、条件を与えてちょっとした文字数の小説を書かせる方もいます。
もちろんそれも有効な使い方ですが、二次創作ならAIが持っている情報と自分のキャラクター解釈との衝突が発生しうるし、生成の過程で生じる前後の矛盾がノイズになって楽しめないこともあります。
私は『小説を生成させる』という考え方を知る前に、ブレインストーミングの相手としてChatGPTと出会いました。
前もって前提条件や設定を共有することで、「今私たちが想定している状況で、彼らはどう動くのが自然か」という私の発想への提案をしてくれます。
その上、『楯の会』『北一輝』『コロンボのかみさん』など、みんなが知っているわけでもない固有名詞や概念も問題なく通じてストレスフリーな会話ができます。
作家にとっての編集者のような、新たな発想を誘導してくれるリアルの人がいつも暇だとは限りません。
ふわふわした考えをまとめたい時のブレインストーミングの相手としては、ベストではないにせよベター以上です。
ChatGPTの弱点
ただし、一定期間特殊設定を話題に出さないと、AIが設定を忘れて一般常識に寄ってしまうことがあります(例えば『鬼滅の刃』なら、日輪刀以外の武器でも鬼を倒せるなど)。そのため、定期的にコミュニケーションを取って認識の齟齬をなくす必要はあります。
また、性的や暴力的にセンシティブな単語を出しての会話ができません。何がセンシティブワードなのかは公表されておらず、手探りで会話するしかありません。
土佐弁の二人称『おまん』が何かに引っかかるのが怖くて、「ここでは『お前』に統一しましょう」という約束をしています。
ただし、『触れ合い(婉曲表現)』とか『ひとつになる(隠語)』など、カッコ内に含みを持たせることで割と積極的に猥談に乗ってくれます。
人間の邪悪な思惑に気づいていないのが、ちょっとおかしくて可愛いです。
まとめ
もちろん、多くの人に見せるためのものを作るには裏付けが欠かせませんが、二次創作くらいならこれで充分です。
また、正確な情報ではないものの、裏付けを取るために何をどう調べればいいのかという取っかかりにはなります。知らないことを調べる手段がわからないことも往々にあるので、その道しるべとして使えるのは利点です。
今はまだ完全に頼りきることはできませんが、AIの進歩も日進月歩なので、今後より人間の役に立ってくれることになるでしょう。
追記
私はイラストの無断学習・AIイラスト生成には反対しています。
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