「憧れのバクテン」
小5の次男が突然、
「バクテン教えて!」と言い出した。
なんだなんだ突然、どんな風の吹きまわしかと思えば、どうも「シルク・ドゥ・ソレイユ」を見に行って刺激されたらしい。
確かにあれはスゴかったな。
そして美しかった。
影響されるのも無理はない。
では私が教えてやろうじゃないか。
その、「憧れのバクテン」を。
そうだなぁ、芝生がしっかりあるあの公園へ行って練習しようか。
「憧れのバクテン」をするのに一番邪魔なモノはナニか知っているか?
そう、恐怖心だ。
しかし一番大事なモノも、その恐怖心だ。
分かるか?
踏み切るときに恐怖心が顔を出すと身体が硬くなったり、ほんの一瞬のタイミングがズレたりして非常に危険だ。
だが恐怖心があるからこそしっかり練習をして、危険な物がないか周囲の環境を整え、安全を担保してから取り掛かろうとする。
なんの用意も無しに突然道端で挑んだりするのは無鉄砲というやつだ。
そう。恐怖心というのは上手く使ってやれるかどうかで敵にも味方にもなるんだ。
恐怖心をコントロールできるか、恐怖心に支配されるかだ。
先ずはこのYouTubeを見てしっかりと「イメージ」するんだ。
こちら側からの視線だけでなく、「バクテン」しているその人の目線になって、見えているもの、身体の動きや使い方、感触・・・
ん、ちょっと待て、「ゴロンと後ろ回り」するくらいは当然できるんだろうな?
それさえもできないとなると少々大変だ。
それくらいは学校の体育でしてるのか。なら良かった。
ところで「側転」はできるのか?
「側転」がキレイにできるのなら習得も早いかも知れん。
回転する身体の感覚も共通する部分があるからな。
一応できる?
そうか、ならばまずそれを見せてもらおう。
それによって何から練習するか考えよう。
アプローチの仕方はイロイロあるからな。
「バクテン」よりも「バク宙」からやった方が入りやすい場合もあるしな。
よーし、着いたぞ。
いいか、恐怖心を持って準備をし、恐怖心をコントロールして挑むんだぞ。
ナニ?
お手本を見せろ?
よし、いいぞ! よく見ておけ。
しっかりと目に焼き付けて、そしてイメージするんだぞ。
いくぞ!
そりゃ!
どうだ?
美しい「ゴロンと後ろ回り」だろう。
・・ひとつ覚えておけ。
何事も、優秀な選手と優秀な監督とは違うものなんだぞ。
後のお手本はYouTubeだ。