マガジンのカバー画像

きしぉう博士のアジア研究ノート

57
きしぉう博士が書いたアジア研究や歴史学関連の2020年10月から2021年1月までの有料記事の全てが読めるマガジンです。
アジア研究、特に東南アジア研究の前線の話がかじれます。 それから、大手の出版局・大学出版局から本を…
¥2,020
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

このつぶやきはマガジンを購入した人だけが読めます

このつぶやきはマガジンを購入した人だけが読めます

書評:アンドレイ・ダマレードのDivided Loyalties: Displacement, Belonging and Citizenship among East Timorese in West Timor

※私の学術書の書評では、著者の意図を重視した作品概論、内的・外的な批評、そしてどうしたらさらに良い本にできたかなどについて同じ研究者の立場から書いています。 ーーーーーーー 作品概論アンドレイ・ダマレードのDividied Loyalties: Displacement, Belonging and Citizenship among East Timorese in West Timor(分裂した忠誠:西ティモールの東ティモール人たちの追放、帰属意識、市民権)は彼のオー

まとめ。シンガポールにおける「中華系の特権」に関する論争

昨年末辺りから人種と「中華系の特権」に関する一連の論文が、シンガポールで論争の的になっています。元々の論文はもとより、その後の学会や社会の反応が非常に興味深いので報告します。 2019年9月、南洋工科大の研究員のフマイラ・ザイナル博士が、同僚のワリッド・アブドゥッラー博士と共に「政治における中華系の特権:シンガポールの支配エリートに関するケーススタディ」(Chinese privilege in politics: a case study of Singapore's r

シングリッシュの話

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

アウストラロピテクスのルーシー(NUS自然史博物館のレプリカ)

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

NUSの自然史博物館

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

書評:アミタブ・アシャリアのThe Making of Southeast Asia: International Relations of a Region

書評です。 元々は2000年に出版され、かなり大規模な加筆修正の上、2012年にコーネル大出版とISEAS出版から協同で再版されたアミタブ・アシャリア教授(アメリカンユニバーシティ教授)のThe Making of Southeast Asia: International Relations of a Regionを紹介、批評します。 この本は、東南アジアにおける地域統合プロセスの通史を書こうとした野心的な作品です。そして、東南アジアの地域統合の通史として見た場合のこの

国連選挙支援チームでのこと(2)国連の知識生産

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

なぜ神はファラオに怒って魚を殺したのか?息子からの質問

子供と聖書物語を読んでいたときの話。 キリスト教教育について一応、妻も私も広義のキリスト教徒なので、子供たちにはキリスト教教育を施している。私個人としては、彼らがカトリックになろうが、プロテスタントになろうが、よく考えて無神論者になろうがそれでいいと思っているのだけれど、親がセム系宗教の教養を持っているなら、言語や数学と一緒に継承しておいて損はない。私自身、宗教に関する知識がこの世で生きていく上でとても役に立つということを知っている。(あの世でどうかはまだ知らない。) プ

去年の米国アジア研究協会のコロナパネルにて。

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

ミャンマー研究の雑誌がマレーシアの社会学者の特集をやるということ

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

コミュニティ形成の東南アジア史(4)古典的国家の分裂と再統合、アユタヤの勃興 14世紀から16世紀頃まで

「NUSでやってる東南アジア史入門の日本語版講義用ノートを作るぜ!」と息巻きつつ、しばらく放置していた「コミュニティ形成の東南アジア史」の第4回目を書きます。 前回までのコミュニティ形成の東南アジア史(1)シリーズ概論. https://note.com/kishotsuchiya/n/n0efb8957dc94?magazine_key=ma29b33ae93fc (2)地形、基層文化、神話体系. https://note.com/kishotsuchiya/n/n89

「星の王子さま」の死ついて:第一次資料で読む

マダムスノウから「星の王子さまの死」についての電話先日サンテグジュペリの「星の王子さま」に登場するトルコの天文学者と小惑星B612についてポスコロ的な立場で旧植民地から読んで見るという記事を書いてみました。その終わりの方でアメブロのマダムスノウの記事を紹介させていただきました。 すると翌日、マダムスノウから電話がかかってきました。スノウさんはアメブロでは10年くらい詩を掲載し続けてるベテランの人気ブロガーなのですが、私にとってはリアルのお友達なので電話です。 マダムスノウ