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停滞期を乗り越えたFULL KAITEN流ABMの現在地

はじめまして。フルカイテン株式会社にてマーケ・インサイドセールス領域のマネージャーをしている岸良と申します。本日はABM(account based marketing)を推進して4年目になる弊社の現在地を共有できればと思います。
弊社事業は小売業特化(Vertical)×中堅・大手企業向けという特徴があり、決して多くはないターゲット企業からどうやって売上を最大化していくのかが重要となります。

以下のような方向けに弊社が直面した課題や現在の取組みをご紹介いたします。何か一つでも参考になれば幸いです。

・Vertical SaaSのマーケティングやインサイドセールスを担当している方
・大手企業向けのマーケティングやインサイドセールスを担当している方
・スタートアップのマーケティングやインサイドセールスの立ち上げを担当している方


↑そもそもABMって何?という方は「参考)ABMについて」を先にご覧ください

FULL KAITENについて

弊社が提供している「FULL KAITEN」は小売業向けのクラウドサービスです。2023年からマルチプロダクト化をして、以下3つのサービスを提供しています。

・FULL KAITEN〈在庫分析〉
・FULL KAITEN〈在庫配分〉
・FULL KAITEN〈補充発注〉

FULL KAITENのABM変遷について

ABM推進前(2020年)

私は弊社マーケ、インサイドセールス機能立ち上げ1人目のタイミングで入社をしています。当時は「在庫リスクを抱えて事業をやっている」企業を有効リードと判定してマーケを推進していました。コロナ禍だった社会情勢もあり、オンラインセミナーを中心にリードを獲得して、少しでも可能性がありそうな企業を全社アプローチしていました。結果としてリード数、商談数は順調に伸びたものの、成約数は期待した水準を達成することができませんでした。

ABM推進期(2021年〜2022年)

2020年の反省を活かして、どうすればもっと受注を伸ばせるのか?とたどり着いたのが、ABMでした。これまでの成約企業やサクセスしている企業の特徴を洗い出し、「一定の年商以上の小売企業」約1,000社をターゲットとしてマーケティング活動を進めることにしました。
ABM推進のタイミングでマーケ、インサイドセールスのKPIを以下の通りターゲット企業からのリード、商談数に変更しています。

社内ABM推進キックオフで使った資料

リソースをターゲット企業の開拓に寄せることで結果としてマーケ・セールスの人員を追加することなく、2021年には商談数は昨対比1.5倍、成約数はプロダクトの進化も重なり4倍に伸ばすことができました。

FORCASユーザー様向けイベントにも登壇させていただきました。


弊社事業においてABMの有効性を確認できたため、このタイミングで採用も強化して、2022年もさらに成果を伸ばすことができました。

ABM停滞期(2023年前半)

ここまではターゲティングを定めることによって成果を残したよくあるABMの事例かと思います。
弊社では2023年頃から壁にぶつかりました。ターゲットのカバレッジ(シェア率)が一定を超えたタイミングから、成果が鈍化しました。ターゲットへのアプローチが一巡、二巡していくにつれて、リード、商談、成約すべての獲得難易度が上がりました。オペレーションの改善や、新たな施策を試しても大きく状況を変えることはできませんでした。

ABM洗練期(2023年後半〜)

状況を打破することができたのはターゲットの細分化による、ABM戦略の見直しがきっかけです。

弊社のターゲットは小売業ですが、扱う商材は企業によってバラバラであり、商材や業態によって課題は大きく異なります。さらにいえば同じアパレルを扱っている小売でも、高単価のアパレルと低単価のアパレルでは在庫に対する課題やアプローチが異なります。
これまでターゲットの1,000社をTier1、Tier2、Tier3と3分割していましたが、現在は1,000社を30分割して、それぞれをPODと呼んでいます。

そしてPODごとにリード、商談、成約の獲得状況、対応する事例やプロダクトをまとめることによってPODに特化したマーケティングを推進しています。

イメージ図

まずそれぞれのPOD状況から以下のように開拓方針を決めて、具体的なアクションまで落とし込んでいます。

①高カバレッジPOD(リード、商談、成約のカバレッジが高い)
カバレッジの高いPODについて弊社プロダクトがフィットする可能性が高く、認知も取れているので、高いカバレッジを活かしながら1to1でのアプローチを中心に推進しています。それぞれPOD別の訴求をまとめているので、POD別の訴求×個社別の訴求を組み合わせて手紙、電話、メールなどによって届けています。(本当はこの1to1アプローチで1本noteを書きたいぐらいですが、今回は割愛します。)

②低カバレッジPOD(リード、商談、成約のカバレッジが低い)
カバレッジの低いPODについては、まず認知を取ることから始めていきます。例えば広報と連携して業界紙での掲載を狙ったり、該当PODの方が集まりそうな展示会に出展するなど
さらに特定のPOD向けのセミナーも注力しています。施策の一例を挙げると、これまでは小売業界全般向けのマーケティングが中心でしたが、小売の中でも眼鏡小売、スポーツ小売などより特定のセグメントに特化した施策を強化しています。
また各企業のPODはSFAやMAと連携させているため、特定のPOD向けのメルマガも行っています。

複数の企業様がFULL KAITENを導入いただくきっかけとなった眼鏡小売向けウェビナー
2024年現在最もセミナー経由の商談が多かったスポーツ小売向けウェビナー

施策のターゲットを狭くして成果を出せるのか不安もありましたが、結果は大成功でした。小売業界全般向けのセミナーよりも多くのターゲットリード、商談が獲得できて、成約につながる企業も増えてきています。
1社から複数の方にお申し込みをいただけるケースも多く、社内で横展開されることもわかってきました。セミナー後には複数の方とお話しすることができるので、より組織の課題を立体的に把握することもできるようになっています。
実際にセミナーに参加いただいたあるターゲット企業の社長様から「興味あるテーマですごく引きがあった。キャッチコピーがよかった」などのお声をいただいております。

③未開拓POD(リード、商談、成約のカバレッジが低く、具体的な導入企業もなし)
我々が事例やノウハウを持っている業界については訴求や手法を磨くことで、成果を伸ばすことができました。一方で導入事例がなく、まだ勝ち筋が見つかってないPODもありました。このような未開拓PODについてはプロダクトチームやPMMと連携して、ユーザーインタビューや市場調査から始めました。調査を進めることで、いくつかの未開拓PODで弊社プロダクトが提案できる可能性を見つけることができました。調査で得られた情報を元にマーケティングを推進した結果、複数の大手企業のリード、商談を獲得することができており、新たな手応えを感じています。弊社のようなターゲットが限定的な企業は市場開拓を進めれば進めるほど、アプローチ対象が枯渇してしまうため、新市場の開拓(=未開拓PODの検証)は戦略的に取り組む必要があり、今後も強化をしていく予定です。

POD別アプローチ方針

今後の展望

ご紹介したPOD別訴求の進化や新しい市場の検証に現在は取り組んでいます。
特に「新しい市場(POD)にトライする→勝ち筋を見つける→事業の成長につなげる」というサイクルを高速で回していきたいです。新しい市場の開拓にはこれまで以上にプロダクト側とも連携も重要だと考えており、私自身も新たなミッションを持ちながらチャレンジをしております。

一緒にチャレンジいただけるメンバーも募集しておりますので、もしご興味があれば私のSNSか弊社カジュアル面談フォームからぜひご連絡ください!
BtoBマーケティングやABMについて情報交換したい方々も大歓迎です!
岸良X
カジュアル面談エントリー

参考)ABMについて

弊社が推進したABM(account based marketing)についてChapGPTに聞いてみました。

Account-based marketing (ABM)は、企業が特定のターゲット顧客やアカウントに対して、パーソナライズされたマーケティング戦略を展開するアプローチです。従来のマーケティング戦略が広告やキャンペーンを大規模に展開して広範な市場をカバーするのに対し、ABMはよりターゲットを絞り込んだ戦略をとります。

具体的には、ABMでは以下のような手法が使われます:
1. ターゲットアカウントの特定と理解: マーケティングチームは、最も重要なターゲットとするアカウントや顧客を選定し、その特性やニーズを詳細に理解します。
2. パーソナライズされたコンテンツとコミュニケーション: 各ターゲットアカウントに対して、その特性やニーズに合わせたパーソナライズされたコンテンツやメッセージングを作成し、それに基づいてコミュニケーションを行います。
3. 複数の接点でのアプローチ: 通常、ABMでは複数のマーケティングチャネルや接点を組み合わせて、ターゲットアカウントに対して継続的かつ一貫したアプローチを取ります。これには、電子メール、ソーシャルメディア、直接のセールスアプローチなどが含まれます。
4. 営業との強力な連携: ABMはしばしばマーケティングと営業チームの密な連携が必要です。特に大規模なターゲットアカウントでは、営業との協力によってターゲットに対する効果的なアプローチが可能になります。

ABMの主な目的は、顧客獲得の成果を改善し、特に大口の顧客や重要なアカウントに焦点を当てた効果的なマーケティング戦略を展開することです。この方法論は、特にB2B(企業間取引)市場で広く利用されています。

ChatGPT



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