繋がらない道
一枚一枚のショットでは及第なのだ
何度も見たことがある
この緑のとんがり屋根のカフェ
そうだそうだ来たことがある
三叉路の右手には昭和感のあるサインポール
ここは確かに記憶にある
ソフトクリームのランプのあるたこ焼き屋
もう十回ぐらい通った道
左手に博物館が見えるドーム型のバス停
それらのショットがバラバラに弾け散って
繋がらない道になっている
行き当りばったりの地図
プチプチと切れ切れに道路が散乱し
知っている場所にたどりつけない
ちょうどわたしの頭の中のように
知ったかぶりじゃなく
本当に何度も来たことがある
ただ頭の地図が歪んでいるだけ
ショットごとの絵面は
薄い記憶と合致している
信じられないとおもうが信じなくてもいいよ
わたし自身が信じられないのだから