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2023_0215_本読み
<919字>
冒頭の写真:
斜影ってきれい。
数学のことばは「射影」だった。斜と射が私の中ではいりまじってました。
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2月15日(水)は以下を読みました。
『あまりにロシア的な。』
亀山郁夫 著
青土社
憂鬱な間奏曲「ウリヤノフスク物語」
エピローグ
(139〜141ページ)
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この「ウリヤノフスク物語」を読み終わって、ソ連ということばが繰り返し出て、あれ?ロシアではなかったか?と思いました。
きよもとさんの指摘で、このパートは1984年の留学のことだった、と確認できました。
この本自体は、1994から95年の留学のことを書いているので、このパートはロシアがまだソ連だった頃のことを挿入してあったのですね。
独裁国家に拘られた人の心情の体験が、おそろしかったです。
(音読した人:山崎)
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『俳句的生活』 長谷川櫂 著
中公新書
第6章 庵
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「庵」の最後は、やはり谷崎のところにやってきました。
「陰翳礼讃」をストレートに受け取った建築家の面白い話が引用されていましたが、谷崎という人の存在は、欧米と日本との間にあって、もっと複雑なものだったと書かれていました。
日本人はいくら肌が白くても
西洋人とはちがった「くすみ」「陰」「ほこりのような汚れ」がある、
と谷崎が書いていることに
〈 愕然とするばかり 〉と書く著者に、まったく同感です。
近代化で欧米文化を入れざるを得なかったこと、敗戦も含め、根深い劣等意識を感じてしまいました。
(音読した人:きよもとさん)
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『芭蕉連句集』 中村俊定・萩原恭男 注
四四 秋立て(あめ子)150~152ページ
岩波文庫
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この連句、いろいろ面白いことばがでてきます。
〈放下师〉、〈畚〉、〈近喝餌〉
注を読んで、その時代の日常を少しは想像できた気になるのがおもしろいです。
一つの注を引用すると、下記。
〈 近喝餌ー近餓(チカガツエ)。飲食した後ですぐまた飲食したくなること。またはその人。〉
句は
〈 月の前酒にせはしき近喝餌 正秀 〉
というものです。
前句からは、博奕打ちが飲んでるふうに、後句は忙しくやかましく飲んでるのは菜種を播くのに雇われた輩、と見てつけてます。
(音読した人:山崎)