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【こんな映画でした】554.[フランケンシュタイン]

2020年 4月17日 (金曜) [フランケンシュタイン](1931年 FRANKENSTEIN アメリカ 70分)

 ジェームズ・ホエール監督作品。原作の小説は読んでいるが、映画は未見。[ミツバチのささやき]を観たこともあり、その本物を観ることに。この映画の三カ所ほどがその映画の中で使われている。それはまずオープニングシーンで、口上を述べるもの。二つ目にマリアが怪物と出会って、話し、遊ぶシーン。そして溺死したマリアを抱いて歩く父親の姿、であった。

 このマリア役はマリリン・ハリスで、撮影当時7歳。怪物役はオープニングのテロップでは「Monster ?」とあり、エンドロールで初めて「ボリス・カーロフ」と紹介されている。撮影当時43歳。

 マリアの溺死については、なかなか難しい解釈が必要だ。つまり犯罪者のアブノーマルなブレインを使って作られたのがこの怪物なので、幼い子供を殺すのも当然のように受け取られがちである。

 しかしきちんと観ていたら、マリアと花びらで遊んでいて、怪物が自分の手持ちの花びらがなくなってしまったのを、不思議そうにしているカットがあり、で、ふと気がついたように目の前にいる手に花びらをまだ持っているマリアを身体ごと抱き上げて、それまでの花びら同様に池に投げ入れるのであった。

 「痛い」という悲鳴を聞きながらも、怪物は遊びの延長のつもりでバシャンと。そしてこれは一体どうしたのだろう、と訳が分からない風で、しかしどうしたらいいのか分からず、戸惑いながらそこから走り去っていくのだ。

 このシーンを観て、[ミツバチのささやき]のアナは、どうして女の子を殺したのかと姉に尋ねたわけだ。それまで仲良く一緒に遊んでいたのに、というわけだ。その疑問は当然のことだろう。もっとも姉の方も、実は分かってなかっただろう。

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