【こんな映画でした】672.[幸福(しあわせ)]
2020年 6月27日 (土曜) [幸福(しあわせ)](1964年 LE BONHEUR HAPPINESS フランス 80分)
アニエス・ヴァルダ監督作品。これは『ヨーロッパを知る50の映画』(狩野良規 国書刊行会 2014年)で紹介されていたもの。ようやく手に入れて、観た。
これがその映画か、と。なるほど。色彩が綺麗であり、華麗であるのは、そこに描かれている世界がまさしく「幸福」であるからだろう。女性監督だからというわけではないが、男性には手厳しい内容だ。そこまで能天気ではない、と思わず言いたくなるくらいに。
映像的にいろいろと凝ったことがされている。一度観ただけでは、なかなか分かりづらいが。まずオープニングシーンとラストシーンは、対照的になっている。奥さんが代わっているが、四人で手をつないで、こちらへ向かってくるのと、画面の向こうへ立ち去っていくのと。
溶暗、フェイドアウトは、一般にはその名の通り暗く・黒くなるものだが、ここではその時々のシーンの終わりの色合いがそのまま使われている。だから黄色であったり、青や赤であったりする。以前、一度真っ赤でフェイドアウトする映画を観たことがある。何だったか、すぐに思い出せないのが残念だが。