【詩】非(あら)ぬ人たち
来る人は来る 残った人が残る
だから無視している訳ではない、と
すでに招待状を開けた あなた方の高笑いが騙る
手を引く母 新聞を取っている父
踊りと作法の遺産で飾り立て 臨む
カトラリーに映る顔は 封を切るナイフを使えない
招待状ごと破ってしまう手を見たことがあるのか
アフリカの露店で買ったというペンキ絵を見上げ、ほくそ笑んだ
大きな鳥が蛙に喉を絞められて涙目
蛙の頭はすでに鳥の喉に入ってる
吐かない鳥に放さない蛙
Never give up. は 絵師が添えた一筆である
来る人は来る 残った人が残る
だから無視している訳ではない、と
盛りの鳴き声のような嬌声が騙る
鳥にはなってみたい、だから
過去を全て蛙に代えよう
私のことを忘れたら 迷わず喉を絞めてやる
首に痣をつけられずに 今の今までゆうゆうと
群れなし途行く胴体の陰り その気配に苛立って
指を咥えようとして止めて
翼がペンにされるのを念じた
アフリカの露店で決められなかったという土産物が惜しい
ガゼルの彫刻をあしらった本立てに焦がれてる
日に焼けた見本の聖典を駆け上がってたらしい
櫛の歯みたいな鍵盤を 親指で爪弾くんだって
目の前でグランドピアノの蓋が開いたら
タップシューズの踵を割った
スラックスの折り目を引き裂いて
踝を探り 足首に鈴を結んで途立つ
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