No.2 温に絆されて
ここ数日もう春の境目なのだろうかというほどの梅雨模様が垣間見えますね。季節の変わり目なんて曖昧なものだなと思っていたけれど、年々その感覚が深まっている気がします。この感覚は幼心を失う代償なんでしょうか。そんなふうに感じるこの日頃です。
さてさてさーて、春といえばなんですが“出会いと別れ”なんて謳い文句を耳にしますよね。正直なところ、自分はお別れが嫌いです。だって悲しいじゃないですか。気の置けない友達や心地の良い関係の恋人、お世話になった先輩たちが離れていってしまうなんて。
なので必然の別れに対してポジティブに受け止められる人は大人だなと素直に尊敬しちゃいます。いつか自分も飲み込めるようになると良いのですが。
ただそれに反して、哀しい歌とかお別れの歌、自分大好きなんです。不思議ですよね。
えも言われぬ無常感や寂寥感が、現実と乖離したフィクションになると、まるで近くて遠い他人事になるみたいなそんな感覚が好きなんです。
哀しい歌って好き嫌いがすごく別れると思うんですが、好きな人にちょっとでもこの感覚が伝わればいいな、なんて。