畑からクッキング -太郎3歳の夏-
家族で食べる分だけ作っている、ジジとババのキッチンガーデン。
赤子の頃から畑に行くのが大好きだった太郎、ついに収穫から料理までするようになった。
ババが地域の会合で遅くなるこの日、
夕飯を作ってびっくりさせちゃろと思いついた。
何が作れるかな。
畑にある野菜を見て決めよう。
「むーしーが〜〜」とプリプリ怒りながら収穫。
むしが食べるってことは、美味しいってことだよ。
熟れているものしか採ってはいけないことをよく理解している太郎。
収穫は楽しいけれど、トマトをここまで大きくするためにジジババがどれほど汗をかいているか知っているから。
太郎が詰んだ大葉と朝採ったキュウリで冷や汁を、黄色いトマトはマリネにしようか。
豆腐をひとくち大にすくって。
大葉と梅干しをちぎって。
準備から片付けまで、出来るだけ一貫して見せるけれど、太郎のやりたいことしかさせない。
3歳児に料理をさせるなんて無謀だとわかっているからだ。
だけどやらせてみたいし、やりたがる。
だったらお互い楽しい気持ちでできる範囲が良いと思う。
楽しい範囲だと集中して取り組むから、失敗も少ない。
冷や汁は完成まで太郎シェフがやりきった。
トマトのマリネは乗らなかったらしく、母の作。
美味しい夕飯が完成。
ババも大喜び。
ドヤ顔でたくさん食べた太郎であった。