はとぽっぽは何を食べているか

今朝はトトが比較的のんびりできるとのこと。
せっかくだから年度初めのご挨拶をと、近所の神社を３人で参拝する。

この神社の敷地は狭いながら緑が多い。
昨夜の大雨のおかげでいきものたちの生命力がぐっと力強さを増し、
より荘厳な気配に満ちている。

太郎の大好きなどろんこの水たまりもあちこちに出来ている。
水たまりに吸い寄せられるように向かっていく太郎の腕をがしっと
掴みながらトトが笑っている。

私はというと、参拝は真面目に、本気で、丁寧に臨む。
自己紹介をしてから日頃平穏に過ごせている御礼と今後も見守っていただけるようお願いをする。トトの事業はコロナの影響を受けたから、ビジネスにご利益があると名高いこちらの神様にはよくよくお願いしておかねばならない。

そう思ってお賽銭箱に100円玉を投げようとしたら、
トトが「え、100円？すごいなあ」と無邪気に言った。
「今の発言でご利益はなくなりました」と神の気持ちを代弁すると、
40過ぎのこの男は至極残念そうな顔をして「えー」と言った。

トトが仕事に行ったあと、我々は日課の散歩に出かけた。
公園の芝生には、いつもよりたくさん鳩がいる。

太郎は鳩を見るととりあえず話しかけることにしているので、
「ぽぽ、おーうい」などと声をかけている。

何を食べているんだ君たちは

ぽぽたちは、しきりに何かついばんでいる。
雨上がりには土から小さな虫が顔を出しているのだろうか。

太郎よ、ぽぽは何を食べているか探ることにしようぞ。

お互いに「しーっ」と言いながらそろそろと鳩に近づいていく。

そーっと近づいていく太郎

虫かな。
木の実かな。
それとも全然違うびっくりな何かだろうか。

「ぽぽ、何食べとる？見える？」
彼はじーっと鳩を見つめ、そしては！わかったという顔をして叫んだ。

「ぽぽ、まんま！たべてりゅんだ！！」

その瞬間、鳩たちはいっせいに飛び立去ってしまった。

本日のテーマに対する答え合わせ。
「鳩は何を食べているか」

こたえ：「まんま」。

大正解です。