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切り絵/ オジロワシ 威風Ⅰ

こんにちは。

昨年2月に北海道に流氷を見に行った時に見かけた
オジロワシという美しい生き物を作りたいと思っていてようやく形にできました。

こちらの作品は4月-5月に大阪で開催されるグループ展に出品予定です。

一度、友人からのオーダーで作ったことがあるのですが、
その時は動物園のオジロワシをモチーフにしていて、いざ北海道で実際に彼らの生きらている環境を目の当たりにすると、とてもこの過酷さやその環境で生きる彼らの逞しさ、「空の王」たる燦然さを出せなかったと思い、リベンジを企んでいました。

構成を悩む期間は長かったですが、切り始めてからは早かったです。

色付け前 輪郭線切り絵終えた後の達成感

余分な飾りをあまり入れずに、黒を大きく残しました。

なので色も控えめ。命の色


北の大地、知床

オジロワシをリベンジしてみて、動物を作るときに彼らのリアルな環境を肌で体験することの重要さをあらためて知りました。
知床を知る前と後では、オジロワシ自体の解釈も大きく違いました。
リアルな生き様を残したいなら、そのくらい彼らについて想像しなければならないな、と。学ぶことの多い作品でした。

情報が雪で削ぎ落とされた大地
海を覆う流氷
流氷からするギシギシという音
それでも生き物の痕跡はある。
この中で彼らは生きている。

北国の日の入りは早く、15時くらいにはすでに夕方の空気に変わっていました。
夕暮れの海辺を歩いていて、遠くの空を山に向けて帰る大きな鳥を見ました。
あれはオジロワシだったのではないか、と思っています。
とても美しかったです。

絶滅危惧種

オジロワシは現在は数が減ってしまい、絶滅危惧Ⅱ類です。
原因は、交通事故・鉛中毒・感電・発電用風車との衝突事故と、人為的な影響が、空の王の生態系に大きくダメージを与えてしまっています。

釧路で傷ついた猛禽類の保護・野生復帰・終身飼育の活動に取り組んでいる猛禽類医学研究所という団体もあるので、是非彼らについて知ってほしいと思います。
クラウドファンディングやグッズ購入で活動を応援することができます。


雪で覆われた大地、流氷の軋む音、
願わくば、彼らが滑空する姿が永遠に続きますように。

作品詳細

威風Ⅰ
A1/ 841×594
写真素材はSaki.sさんにご協力いただきました。
(Twitter@rinmei0699)

威風Ⅰ


精進します。

切り絵作家 ひら子

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