狐晴明九尾狩
去年秋に行われたデュレイビューイングに続いて、今度はゲキシネ版で再観劇しました。
二回目はキャラクターの表情観察に力を入れることができるので新たな発見がたくさんありました。あれこれ妄想考察のしがいもある作品なので、何度見ても晴明と利風の関係性に心がかき乱れます。
これを見てから創作のアイデアが一気に固まったので結構思い入れ深い作品かつ私の中で今一番熱い推しごとでもあります。
ネタバレを回避して上手く言語化できるか不安ですが、布教のためにオタクモード全開で感想を語りたいと思います!
一回目の観劇はこんな感じでした(ネタバレ注意)
そして今回のゲキシネ。
一回目はストーリーを追うのに必死だったので、二回目はキャラクターの表情に注目して見るようにしました。
特に気になったのは…やっぱり晴明と利風(パイフーシェン)!
単なる化物退治モノではなく「一緒に切磋琢磨し合った友同士の知恵比べ」として互いに信頼し合った故の化物退治(しかも片方は身体乗っ取られてる)だったのが魂で繋がれた絆なんだなって思いました。
だって晴明さんずっと「利風」呼びなんですよ!
「パイフーシェン」って呼び出すの、彼がオールドデュトロノミー(最終形態)になってからだもん!!!
晴明はあくまで「賀茂利風」という男にしか眼中になくて、利風もまた自分の身体を乗っ取った化狐に悪あがきを仕向けていたって…もうそれは「知恵比べ=化物退治」の構図なんですよね。
最期まで掌の上でパイフーシェンを泳がせた利風、それに応えようとした晴明、二人の知恵を全て知った上であがき果てたパイフーシェン…知恵比べの先にあったのは文字通りの「化物との死闘」だったんです。
もちろん、この状況を好転的と見る人間(主に宮廷・貴族側)も一定数おりました。一部ギャグ担当に昇華したキャラもいたので憎めない悪役が大半でしたが、粟根まことさん演じる藤原近頼の二面性はかなりネチっこかったです(褒めてます)
ビジュアル面で一番気になったのは向井さんの最終形態です(案の定)
デュレイビューイングでは第二形態(クルエラ色の髪型に宝塚の羽根みたいな尻尾を携えた姿)が絶妙にかっこよかったのですが最終形態の姿を細かく見ていない(死闘を追うのに必死でそれどころじゃなかった)ので、今回のゲキシネでお姿をまじまじと観察することができました!
「いのうえ歌舞伎」と題している以上、やっぱり歌舞伎要素はあるよなぁと思っていたのですが…まさか青の隈取りをあしらうとは思いませんでした!
隈取りの色で役柄を表すことを知らなかったので「青隈=悪役の象徴」というのがなんともエモいなと。
というかもう最終形態が最終形態ですから、顔の模様がパイフーシェンの霊力を表しているとすればそりゃあ晴明も満身創痍になるわなぁ…と勝手に考察。あの果て方だと多分数百年後にパイフーシェンさんは復活すると思います。
劇全体を盛り上げてくれた脇役もすごく良かったですね。
将監(河野まさとさん)がワンピースのスパンダムみたいに見事にクズとギャグが同居したキャラでしたし、むしろ4割のキャラがワンピースみたいなリアクションをしていたのが今回イチの発見でした。
特に虹川悪兵太(竜星涼さん)の何も考えずに勢いだけで突っ走る感じはクスリとなりましたね。ちむどんどんのニーニーを見ても特に違和感がなかったのはこれのおかげだったんです。
エンドロールでメイン主題歌がフルで流れたのもおぉっとなりましたが…最後の最後に素敵なサプライズが待っています。
それについてですが…ここでは書かないことにします。劇場で見てくださいね。
結果的に晴明役の中村倫也さんと向井さんの仲の良さが露見した作品になりましたが、私はこういう当て書きの作品が大好きです。
劇団☆新感線の世界観って基本ザ・二次元なのに人間模様が妙に生々しいのがいいんですよね。少なくとも、ドラマでは絶対に描かれないであろう人外の悪役を人気俳優にやらせるのは他にないと思います。
いやぁ本当、すごい舞台でした…リアルで観劇した方はそこでしか味わえない熱量を感じているんですもんね。
個人的なことを言うと、晴れて向井さんの人外悪役を見ることは叶いましたが…次また彼が新感線に参加するとなったら天魔王(髑髏城の七人)をやってもらいたいですね!
髑髏城の七人season風でお披露目した眉なしメイクをガンガンにやってもらいたい…それでいてド悪役を演じてほしい…
みんな一度は眉毛がないむかいりを見るべきだよ。
ゲキシネ版は7/14まで公開されます。
残り日数あとわずかなので、まだ見ていない方はお早めに!
これを言うとアレですが…めっちゃ面白いですよ!!
虹倉家の家計を支えてくれる心優しい方を募集しています。 文章と朗読で最大限の恩返しをさせていただきます。