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ナレーターなのに声の仕事が…
ない。
「物書き」「ナレーター」なのにこんなことがあって良いのだろうかとそれなりの危機感を抱いている。
私のnoteに触れてくださっている方なら周知のことと思うが、クラウドソーシングサービスにおけるナレーター相場は姿かたちが微塵もなさそうなレベルの価格破壊が起こり続けている。これを受けて、ココナラのナレーションサービスの価格を数度改定した。
最初は時間単価(10分1000円)だったのを文字単価(1文字1円)に変えた。改定当時はご購入してくださった方がちらほらいらっしゃったが、オプション追加に悩んだ挙げ句、さらなる価格改定を行った結果―ナレーションサービスは閑古鳥の鳴き声すらしなくなった。
宅録ナレーターは増え続けている。その一方、最低賃金適用外を悪用した低報酬で依頼してくるクライアントも増加している。
極論を言うと、マイクと録音ソフトさえあれば気軽に参画できるが、コンテンツとしての声出しは専門知識が必須になるし宅録ともなると編集技術もかじらなければならない。
10分尺のナレーションを録る場合にかかる時間は録音だけで約1時間。そこからノイズカットや整音処理をするとプラス1~2時間。この工程を一本3桁の価格で請け負ってと言うのだから、ナレーターが下に見られている印象がすごく強い。
あまりよろしくないのだが、私はそういうクライアントに対して無意識に楯突いた。
主に原稿訂正やコンテンツのあり方について意見したまでだが、クライアントからすれば格安で見つけたビジネスパートナーに文句を言われるようなものなのでこの上なく扱いづらいだろう。評価は忖度なしでド正直に付けられるしありえない価格(といっても数円程度)で報酬交渉をしてくる。
今の価格が正当だと思っていても、クライアントからすればプロジェクトが破綻するレベルだと捉えられている。だとしたら、コンテンツ作成そのものの敷居が下がりすぎているのかもしれない。
(ナレーションよりも絶対高いであろう動画作成でさえ「こんな値段で募集かけるんですか!?」ってレベル)
私のアナウンススキルは放送部で培ってきたものだ。もちろん部活なので費用はほぼゼロ。実費でテキストを買ったことなんてなかった。
だが、他のナレーターさんは養成所に通ったり実費でレッスンを受けたりして技を磨いている。そういう意味では、私も朗読検定やnote朗読等で技術刷新をしてきた。
私たちは稼ぐために時間とお金を使っている。会社ならばそれらは絶対的コストとなり、売上と費用を差し引いて初めて利益が作られる。
会社を経営しているはずのクライアントは自分さえ良ければ良いのだろうか?少なくともこれを自分に置き換えたら耐え難い仕事だろうに、平気な顔をして仕事依頼を出してくる。御社のコストが良くても弊社の商売上がったりというのはこのことではないだろうか。
もちろん、声の仕事がないのは外的要因だけではない。自分から営業を仕掛けていないのも大きいだろう。
最近のナレーター界隈では「制作会社への営業」がマストで、みんなそれぞれの方法で営業活動をしている。でも私はできていない。本業をこなしながら執筆案件の納期に追われているからだ。
言い訳にしか過ぎないのだが、執筆や創作をしてそこに営業をするとなると本当に休める時間がなくなる。今までの経験から無理をしすぎると体調不良になるのは目に見えているし、正直今の宅録環境で勝てると思えないのだ。
スキマ時間を使って、クラウドソーシングサイトの案件を応募し始めた。
今度はきちんと選別しているので自信を持って仕事ができるものにチャレンジしているが…選ばれない。他は格安報酬でノイズカットまでやらされるものばかり。それらは二度と応募しないと決めたのだが…実績レベル的に自分はその程度でしかないのかなと思っている。
SNSなんて、あれは自分の気持ちを整理する役目もあるから正直そこで発信の仕方に気を付けすぎるのもかえってストレスに感じてしまう。特にTwitterなんかは「つぶやき」を流すのであって人に媚びを売るツールでは決してない。
かといってイメージが物を言う職業でもあるので、やっぱりクライアントはSNSをチェックするし弱音や愚痴が多いだけでチャンスを逃すことだってザラにある。「愚痴はなるべく控えよう」とする風潮があるくらいだから、仕事がゼロになるのはある意味必然だろう。
仕事を獲得するにはどうしたら良いのか。
営業の仕方ではない。それはきっと、自分自身に大きな問題がある。
技術なのか、振る舞いなのか、引き出しなのか…私は今、n回目の壁にぶち当たっている。
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