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シロツメクサの君『おさかなじけん』
桜が散り始めて、そろそろ川遊びが始まる頃君はお魚に夢中だったね
ハヤという淡水魚なんだけど
「ママ!あれは鮎?」
とにかく鮎地獄でした
そもそも、この場所には鮎は居ないんだけど・・・・
それでも連日、川に行っては
「あー鮎だねママ!」と呪文のように言ってたね
ランチ用にお弁当を作ってきても、それを食べずに
「鮎どこかな?」とストーカーのように探していたね
半ズボンはびしょびしょ
シロツメクサの君へ。
夜遅くに、私の部屋のドアをコンコンと叩く音で私は目が覚める・・・・
「なあに?どうしたの?」寝ぼけて私は問いかけると
「音が怖くて眠れないよママ・・・」
「こっちへおいで、一緒に寝よう」
ガチャっと扉が開き、小さな君は枕を抱えて私のベットにもぐりこむ
夜の音は、どんな音だって怖いよね
君が怖い時には一緒に居てあげる。
「ママこのまくらを頂戴」
「なんで?」
「だってママの匂いがす
シロツメクサの君へ2(どんぐりさん)
両方のポケットに君はたくさんのどんぐりを一生懸命いれている。
「あっちにもいっぱいあるよ」嬉しそうにしゃがんでは、ポケットに入れるんだけど、いっぱいになりすぎてこぼれちゃうんだ。
悲しそうにどんぐりをみつめる君の、ニット帽を頭から外し
「はい、これにいっぱい入れようね」
君は嬉しそうに
「いっぱい入るよ、いっぱいだね」
そんなにどんぐりを拾ってどうするのかな?ボンドでくっつけてお人形を
シロツメクサの君へ3(好奇心という塊)
少しだけ、拓けた駅の地下街にお坊さんがお経を唱えながら立っているのをみつけた君は、不思議そうにじっと見ている。
袈裟をかぶり、見たこともない格好と器のような物を持ち無心でお経をあげているお坊さん。
「ママ、あの中に何があるの?」お坊さんの器の中身が知りたいようだ。
「あれはお坊さんの大切なものが入ってるんだよ」そう伝えると
君は、お坊さんの前に立ち止まり
「お坊さん、それなあに?」と聞い
シロツメ草の君へ4 (秋のコロコロ)
大分涼しくなった風が気持ちいい日に、富士山がよく見える海岸で白い石を拾う君は、大きな波が来ては引く音に耳をすましている。
石ころだらけの海岸の特徴は、石が鳴くように聞こえること。
バッシャーン・・・・コロコロコロコロ
「ママ、なんでコロコロ言うの?」お魚よりも石の音に興味を持つ君は波打ち際で聞いている。
たくさんの白い石とコロコロ。
私は、白い石同士をぶつけ合って小さな光を出して見せた