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新型コロナ陽性者数と陽性率を正しくみる

新型コロナウイルスの感染者数がまた増加してきています

今回は、
どうやって感染者増加をみていったらいいのかな
というのを、グラフとともに述べていきます

なお、東京都のみです(全国・世界もデータ試行錯誤中)

前々回のnoteでは
言葉足らずであまりうまくかけなったのでリベンジです

過剰に反応する前に事実を正確に把握すること
文句言う前に調べること

そう思い、
自ら1からグラフを作成しました

どうか最後までお付き合いください

陽性者数の推移

有意な数字が取れるのが2/15
(東京都のサイトでもそうなっていました)
なので、2/15~7/1までの都内陽性者数をグラフにしました

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一番陽性者数が多かったのが、4/11(土)で159人
週単位で見ると、4/5(日)〜4/11(土)の週がもっとも多く717人

先日のnoteでも書きましたが
「今日の新規感染者数は〇〇人」
と発表されているのは速報値

特に東京都は毎日定時に発表しているわけではないので
速報値は正直操作されているのではないかと思っています
(100人越える前に速報値出しとけ、的な感じです)

累計してしまえば一緒ですが
推移を正しくみるには24時間単位で集計する必要があります

7/1の新規感染者数が67人で増加だと話題になりました
そんな7/1のnoteで私が書いたのが

(15時前という早い時間の速報で67人だったけど)
18時まで待っていたら
もしかして100人超えたのでは?
などと思ってしまいます

実際、ニュースではこの速報値が散々報道されますが
東京都の特設サイトでは
日々、この速報値は修正されています
(しっかり24時間計測の値になっているわけですね)

そこで、改めてサイトをみてみると

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やはり7/1の陽性者数は100人を超えていました
それどころか、速報値のほぼ倍

この調子でいくと
昨日今日の陽性者数は200人超えでもおかしくありません

陽性者数だけでみると
緊急事態宣言が発令された4月上旬と同じレベルということになります

検査数の推移

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検査数はかなり増加傾向にあります

陽性者数が一番多かった
4/11の検査数は、503件
7/1の検査数は、1623件
ここ数週間は、2000件弱、毎日検査が行われています

これだけ検査数が増えれば
陽性者数が増えるのも当然と言えます

仮に、
都内の新規で感染者する人数が常に一定だとしたら
単純計算で3,4倍の陽性者が検出されることになります

下のグラフは見にくいですが
陽性者数に対して検査数が増えていることがわかると思います

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そう考えると
単純に陽性者数だけの推移をみるだけでは
不十分だと言えそうです

陽性率の推移

先ほどの議論から陽性者数だけみるのは
あまり適切ではないと考えます

そこで陽性率を計算してみます

陽性率は、陽性者数を検査数で除することで求まります

が、正確には

陽性者数の移動平均÷検査数の移動平均

で求まります

移動平均とは

集団感染発生や曜日による件数のばらつきにより、日々の結果が変動するため、こうしたばらつきを平準化し全体の傾向を見る趣旨から、過去7日間の移動平均値を陽性率として算出(東京都コロナウイルス感染症対策サイト)

例えば
7/1の陽性者数は
6/25〜7/1、7日間の陽性者数の平均になります

日曜日は検査数が少ない傾向にあるので
そういった落差を考慮する手段ですね

実際、
移動平均した陽性者数と元の陽性者数って
どれぐらい違うのかな?というと

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薄い青の方が、移動平均して求めたものです
全体的になだらかになりますね

この移動平均で求めた陽性者数と
移動平均で求めた検査数から求めた陽性率はこちら

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やはり一番陽性率が高いのは
4/11で0.31、30%ということになります

一方、ここ数日は陽性者数は増加傾向にあるものの
陽性率は3%程度になります

陽性者数と合わせるとこんな感じ

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陽性者数に対して陽性率は低いことがわかります

じゃあ安心なのかな?ということについて次で書きます

まとめ・考察

今までのことをまとめると

陽性者数:ここ数日増加傾向、ピーク時と近い数字
検査数:ここ最近は4月上旬と比べ約4倍
陽性率:3,4%程度(緊急事態宣言時は約30%)

こんな感じです

陽性率ってそもそもどう扱うのか難しいですよね

例えば、
ランダムに2000人選んで検査して
200人が陽性だとしたら
ここでの陽性率は10%

そして、ランダムであれば
対象者を無作為抽出していることになるので
都内、国民全員の10%が感染している
と規模を広げて適用することも可能です

2000人だと微妙かもしれないですが、
これが10000人、50000人
ランダムに選ばれる人が増えれば増えるほど
陽性率はかなり正確なものになり
「国民の◯◯%が感染」といっても差し支えなくなります

しかし、
実際に現時点での検査は

・症状がある人が受けるもの
・濃厚接触者が受けるもの

つまり、当然ながら
ランダムに検査を行なっていないので
陽性者率3%=国民の3%が陽性者とはいえません

また濃厚接触者は、
そうでない人に比べて陽性になる可能性が高いですよね
となると
陽性率は、実際の陽性者の割合より過大である可能性が高いです

「検査数が増えたから陽性者数が増えただけ」
「陽性者率は増えてないから感染は拡大してない」

と言えなくもない

確かに緊急事態宣言が出された時と比べ
陽性者数のわりに落ち着いている状況なのかもしれません

しかし、
病院には陽性者数の分だけ運ばれてきて、入院します

現在ベッドの空き状況も一時ほど逼迫していないようです
なのでベッド不足の心配はないのかもしれません

しかし、ベッドが空いていても
財政が逼迫している病院も多い模様

病院、医療従事者の方の目線だと
陽性率が低かろうが
「陽性者が増えた、入院患者増えた」
となり、大変な状況を強いることになってしまいます

なので陽性者率が低くても
決して「大したことない」とは言えないと
私は考えています

データ

東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト


COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード

実際、東京都のサイトには
私が作成したのとほぼ同じグラフが公開されています

ただ、ちゃんとデータを見て確かめたくて
今回は自分で作ってみました

どのデータも自分で扱うとなると
結構めんどくさいというか
もっと綺麗にデータ載せてくれてればなぁ
と思いました
(このデータを綺麗にまとめて直している方もいました)

その他に懸念していることは
「明確に正確じゃない情報って怖い」ということ

まさにまさしく、、、と思い
けんすうさんのTwitterから引用させていただきました

情報提供側(東京都)が隠すつもりがなくても
データは常に動き、修正されるもので
最初の方で述べたように
かなり修正が行われていることもあります

それ以外にも、けんすうさんのツイートにあるように情報が操作されることもあり得ます

また、
全く関係のない偶然の相関関係を、
因果関係のように見せてしまう

というのは恐ろしいこと

これからもなるべく正確にという心がけを忘れずに
情報を追っていきたいと思います

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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たかなちゃん
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