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誰かのための言葉・・・校正の世界

今年は家族のあれやこれやに奔走し、新たな学びに費やす時間がなかなか作れなかった。それでもなんとかやりたいことをバタバタな日々の中にねじ込んでみたり、読書会や単発のワークショップに参加したりと、気づけば割と充実していた感じもする。ネイタル9ハウス木星なので、いつも学ぶチャンスに恵まれている。木星さんのおかげだな、ありがたい。

9ハウスは高等教育や専門教育、異文化などと関わり合いが深いお部屋、そこに出生の幸運と発展の星・木星がいて、これまでも上海への留学やカリフォルニアでボディーワークを学ぶなど木星には数々の恩恵を受けてきた。そして学びの機会だけでなく、先生方やクラスメイトとのご縁にも恵まれてきた。

今秋からは校正について学び始め、また今までとは違う言葉の面白さを発見している。外国語を学ぶことで自分の母語である日本語に関心が深まったように、校正をとおして、日々の言葉遣いや表現にも変化が生まれて、少しずつだけれど、文章を読む力や校正するスキルも身についてきている感じがする。

そんな中で出会ったこの本は今年のベスト5に入る一冊だった。今、ちょうど水星逆行中なので再読しているところ。

この9月から大西先生の講座にも参加していて、校正の技術だけではなく、言葉に対する姿勢についても、たくさんの気づきと学びを得ている。

リーディングは対面やオンライン、そして文章化するなどいくつかの方法があるけれど、その内容はいずれも最終的に「言葉」によって相手の方に伝えられる。そのアウトプットの言葉の表現には、いつも細心の注意を払っているけれど、それでも「こういう風に伝えた方が良かったかも・・・」と振り返ることもしばしば。

話し言葉の持つ「後戻りのできないプレッシャー」や、書き言葉の持つ「時を超えて読み継がれるプレッシャー」を引き受けつつ、より相手の心に響くようにわかりやすく伝える言葉選びには毎回心を砕く。その言葉の精度を高めるのに校正の学びはとても役に立っている。

学びが深まるにつれて、リーディングと校正には共通点があるなと思うようになった。いずれも「誰かのための言葉」を扱うものだから。ご相談にいらっしゃる方や読者のために心を配り、言葉を選んでいくところはリーディングも校正も同じだ。

リーディングでは伝えたいと思う内容に自分の言葉が追いつかず、もどかしい思いをすることもあるけれど、それでも毎回あきらめずに言葉の尻尾をつかみにいく。そして、伝えたかったことが言葉に変換され、相手に届けられたときの喜びは何にも代え難い大切なものだ。

リーディングも校正も、自分の言葉を受け止めてくれる相手があってこその仕事。正解はひとつじゃないというところも似ているなと思う。

付箋だらけになった本を読み返しながら、自分自身の仕事を省みたりもする。校正に関心がある人だけでなく、いろんな職種の方に役立つ一冊だと思う。

 本や記事になった言葉など、広大な言葉の宇宙からしてみれば、ほんのちっぽけな、偏った一握りにしかすぎないことを、校正者は肝に銘じなければなりません。なぜなら、校正という営みは、”書かれなかった言葉”へのイマジネーションを深め、ゲラの外側に広がる言葉の海とつねにつながっていこうとするものだからです。歴史の流れのなかで、次から次へと生まれては消えていくあまたの言葉たちを、だれにも気づかれずにひっそりと息づいている言葉の存在を、校正者がすくいとらなくて、だれがすくいとるというのでしょう。

校正のこころ 増補改訂第二版 大西寿男著

校正者が日常的に心がけていなければならないことは?
 ひと言でいえば、言葉を畏れることと、おもしろがることです。言葉への畏怖と好奇心を失ってしまえば、校正の仕事は硬直化し、「生きた言葉」を感じられなくなってしまうでしょう。世の中には言葉では表せないものがあるという意識を謙虚にもちつづけること。それを心がけていれば、言葉とともに笑い、泣き、怒り、哀しみ、楽しむことができるはずです。

校正のこころ 増補改訂第二版 大西寿男著

今日から年末恒例の「星からの贈り物2025」の受付もスタート、さっそくご依頼をいただき、ありがたい気持ちでいっぱい。チャートを拝見し、ご依頼いただいた方の新しい一年をイメージしながら言葉を紡ぐ時間を私自身も毎年楽しみにしている。今年もあとひと月、星たちと一緒に頑張るぞ〜


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